インデックス投資は儲からない?リスクとリターンを正しく把握しよう


2023.02.06

  • 儲からない

    投資による資産形成を考え始めた方がまず目にするのは投資信託ではないでしょうか。
    投資信託の商品では、大きく分けるとインデックス投資とアクティブ投資の二つに分類されますが、「インデックス投資をしても儲からないのではないか」と不安に感じる方も少なくないかもしれません。
    この記事では、インデックス投資が儲からないのかどうかについて解説しつつ、これからインデックス投資を始める上で意識しておきたいポイントをご紹介します。
    特に投資初心者という方はぜひ参考にしてみてください。

    インデックス投資とは?

    インデックス投資

    インデックス投資とは、ある特定の市場における値動きを表す指数(インデックス指数)に連動することを目指す投資手法です。
    投資手法として非常にメジャーなものとなっており、特に投資信託においては様々なインデックス型投資商品が販売されています。

    インデックス指数は様々なものが存在していますが、代表的なインデックスとしては以下のようなものが挙げられます。

    • 日経平均株価(日経225)
    • 東証株価指数(TOPIX)
    • NYダウ(ダウ平均)
    • S&P500指数
    • ナスダック総合指数

    それぞれどのような要件を指数に組み入れているかは変わってきます。
    たとえば日経平均株価であれば、「日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から、市場流動性の高い225銘柄を選定し、その株価をもとに算出する指数」となっていますし、NYダウであれば、「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している米国企業の普通株式などの30銘柄」となっています。

    つまり、インデックス指数はそれぞれ公表元も、どの金融商品の価格を参照にしているかも異なるということです。

    インデックス投資は、それぞれの投資信託ごとで設定しているインデックス指数に連動するような値動きを目指しています。
    そのため、インデックス型の商品に投資することで、必然的にその指数に採用されている企業全てに分散投資できるという大きなメリットがあります。
    例を挙げると、日経平均株価を対象としたインデックス型投資商品を購入すれば、それだけで日本国内の優良企業225社に分散投資できるということになります。

    指数に連動するような成果を目指すインデックス投資と対になる手法としては、アクティブ投資というものがあります。
    こちらは、特定の指数よりも良い成果を目指すことを目的に運用する手法となっており、指数が好調であればインデックス投資よりも高いリターンを得られます。一方、指数が低調であれば損失も大きくなってしまうといった特徴を持っています。

    安定的かつ長期間で資産形成をしていきたいという方には、一般的にインデックス投資の方が向いているとされています。
    ただ、アクティブ投資であっても分散投資によるリスクヘッジは一定できますので、この後に解説する内容も踏まえてどちらの投資手法を用いるべきかを検討してみてください。

    インデックス投資は儲からない?

    困る人

    インデックス投資は、投資初心者が一番最初に取り組む資産形成方法として広くおすすめされています。
    その理由は、投資先の銘柄を一つずつ選ぶ必要がなく、広く分散投資してリスクが減らせるからです。
    投資初心者がいきなり個別株の投資をしてしまうと、投資先を見誤ることはもちろん、売買のタイミングが気になって他のことに手がつかなくなりかねません。
    インデックス型の投資信託であれば、投資をする上で原則となるリスク分散だけでなく、個別株に比べて値動きが安定しているため「ほったらかし運用」も可能になります。

    また、インデックス投資のメリットとして、運用手数料が低い傾向にあるというものも挙げられます。
    基本的に運用者は指数に連動するように運用すればいいだけですので、アナリストによる調査やファンドマネージャーによる銘柄選択が不要など、人的コストがほぼかからず、結果として我々の支払う手数料も低くなるという形となっています。

    このように投資初心者にとってメリットの大きいインデックス投資ですが、一部の投資家からは「インデックス投資は儲からない」と言われてしまっています。
    その理由としては以下の3点が主となります。

    • 他の投資手法と比べてリターンが低いから
    • 短期的な投資で考えているから
    • 運用額が少ないから

    これらの理由について、詳しく見ていきましょう。

    ①他の投資と比べるとリターンが低い

    一般論として、投資においてはハイリスクであればあるほど期待できるリターンも大きくなります。
    たとえば新興国の個別株式などで言えば、利回りが50%を超えるようなものも見られます。もちろん、リターンが高い分リスクも高いため、大きな損失を生むことも珍しくありません。

    その点で言えば、インデックス投資の平均利回りは3%〜5%と言われており、他の投資商品と比べるとリターンが少ないといった特徴が見受けられます。
    銀行の普通預金金利から比べればはるかに高いリターンとは言えるものの、投資商品のリターンとして見れば少し物足りないと感じる方もいるでしょう。

    日々株式チャートと向き合っているようなデイトレーダーから見れば、インデックス投資の利回りは特に低く感じられることもあり、「インデックス投資は儲からない」と言われる傾向にあります。
    ただ、インデックス投資はリターンが低めであるものの、同時にリスクも低い点は認識しておくべきです。

    先ほども解説した通り、インデックス投資では複数の銘柄に同時に投資することになるため、値動きが比較的安定します。
    大きくリターンを得づらい反面、大きく損失を出してしまう可能性が低くなっているのです。

    この点は、特にこれから投資を始めたいと思っている投資初心者におすすめと言えるでしょう。
    いざ投資の世界に入ってみたはいいものの、毎日投資した商品の値動きが激しくなってしまえば、日常生活で非常に強いストレスを感じかねません。
    専門知識がなくても始められ、一定のリターンを見込めることから、儲からないと言われていたとしても初心者はインデックス投資から手を出してみるのがおすすめです。

    あわせて読みたい:利回り5パーセントで資産運用するには?外しちゃいけない2つのポイント

    ②短期的な投資で考えているから

    インデックス投資は基本的に分散投資になりますので、短期的な利益を見込むのは筋違いです。長期で保有することで初めて資産を増やせるというのがインデックス投資の特徴となります。
    連動する指数にもよりますが、一般的にメジャーな指数は数年〜数十年単位で見れば緩やかに右肩上がりに成長しています。
    これは、長期的に見れば世界の経済成長がどんどん続いているため、それに伴って株価も上昇していくという考えに起因しています。

    投資の世界において、短期間で高いリターンを出すには非常に高度な知識が必要だと言われています。
    理想論で言えば、個別株を最安値で買い、最高値で売ればとてつもないリターンを得ることが可能ですが、現実問題として不可能ということは言うまでもありません。
    投資のプロであるファンドマネージャーでさえも、平均的な成績は市場平均を若干下回るとも言われており、短期的な投資で資産形成をすることは初心者には難しいということを理解しておくべきです。

    繰り返しになりますが、インデックス投資は長期的に資産運用して初めて安定したリターンが出る手法です。
    そのため、短期的には投資額に対して資産価値が下回ってしまうこともあります

    一部の投資家が、インデックス投資の短期的な損失だけを見てしまい、「インデックス投資は儲からない」と言っていると考えられます。

    ③運用額の問題

    投資では運用額(投資総額)が大きくなればなるほど、同じ利回りでも運用益が大きく変わってきます。
    たとえば、利回り5%の商品に対し、100万円投資していた場合と1,000万円投資していた場合では、運用益に10倍もの差が出てしまいます。

    先ほども解説した通り、インデックス投資の平均利回りは3〜5%となっているため、数十万円運用しただけでは資産はさほど増えません。
    しかし、数百万円、数千万円と投資する運用額が増えていけば、その分比例する形でリターンが大きくなるのです。

    投資を始めたばかりだと、このことをあまり理解できておらず、結果的にインデックス投資が全然儲からないと感じてしまうケースが見受けられます。
    インデックス投資の強みは、長期的かつ定期的な投資により、複利効果を最大限に活かすことが挙げられます。

    複利効果というのは、運用で得た利益をそのまま投資することで、雪だるま式に資産が増えていくことを言います。
    インデックス投資に対して長期的な運用が必要ということを前提に、コツコツと運用額を増やしていくことを意識しておけば、最終的に大きな金額の資産形成が可能になるでしょう。

    インデックス投資で重要なこと

    重要事項

    インデックス投資は長期・分散・積立に適した、投資初心者が始めるのにぴったりな手法です。
    これからインデックス投資を始める上で意識しておくべき重要なこととしては、以下の4つの観点が挙げられます。

    • 株価の動きに一喜一憂しない
    • 基本的にほったらかす
    • 手数料がかからないものを選び、コストを抑える
    • 長期の運用、投資先を分散することでリスクを抑える

    十数年単位での長期的な運用が基本になるため、日々の株価の動きに一喜一憂しないことが重要です。もっと言ってしまえば、一度積立設定をした後は基本的に投資していることを忘れるほどほったらかして問題ありません。
    年に一回程度、家計状況を鑑みてメンテナンスをするくらいの意識を持っておきましょう。

    ただ、インデックス投資はその特性上どの会社の商品を購入しても、同じ指数を対象としたものであればリターンは基本的に同じになります。
    そのため、手数料ができるだけかからないものを選び、コストを抑えることが大切になってきます。
    手数料については証券会社によって異なりますので、しっかりと比較をすることが大切です。証券会社をしっかりと比較したいという方は、以下のランキングも確認してみてください。

    FX・証券会社RANKING

    また、インデックス投資をする上では、どのような銘柄が組み入れられているのかのチェックを忘れずに。
    できるだけ投資先の業界や規模が分散されている、日経平均株価やS&P500指数などが初心者に人気の傾向にあります。

    まとめ

    インデックス投資は儲からないと言われているものの、初心者におすすめの投資手法であることは間違いありません。
    特に「投資には詳しくないけど、長期的に資産形成をしていきたい」「できるだけリスクを抑えて投資を始めてみたい」という方にぴったりですので、気になったらまずは証券会社で口座を開設するところから始めてみてください。

    あわせて読みたい:日経225連動の投資信託とは?コストの低いおすすめの投資信託も紹介!

株の一覧へ戻る

株おすすめコラム

よく読まれている資産形成コラム