資産運用
2022.11.24
2022.12.12
個人の方が資産運用をする際、利回り5パーセントで運用することを目標にすべきという指標があります。
数ある資産形成のシミュレーションにおいても、利回り5パーセントで計算されているケースが多いですが、実際に5パーセントの利回りで資産運用するにはどうすれば良いのでしょうか?
この記事では、投資信託や個別株投資などを活用し、これから資産形成を始めたいという方に向け、利回り5パーセントで資産運用するための方法についてご紹介します。
合わせて、特に初心者の方が資産運用を行う上で外してはいけないポイントを2点解説しますので、記事の内容をしっかり理解した上で投資をスタートさせるようにしてください。
資産運用で利回り5パーセントを目指すことは、現実的に十分可能な範囲と考えられます。プロの投資家の中には、理想的な利回りは10パーセントという声も上がるものの、綿密な分析やこまめなアロケーション(投資先の入れ替え)が前提になるため、初心者が狙うにはやや無理があると考えられます。
逆に、利回り10%を超えるような資産運用は相当難しく、仮に一時的に利回りが10%を超えたとしても、それが続くと思ってはいけません。
投資先をプロが選定してくれる投資信託において、一時的に50%以上の利回り実績を誇るファンドはあるものの、数ヶ月〜数年単位で資産価値の推移を見てみると、大きく価値増減していることが分かると思います。
高い利回りを出すためには、それなりのリスクを取らなければなりません。
売り出されたばかりで運用実績の存在しないファンドや株の価値を目利きすることも必要ですし、その目利きを信じて大きな金額を投資しなければリターンは微々たるものになってしまいます。
そういった難しさを踏まえ、利回り5パーセントは初心者が狙うべき妥当な水準だと言えます。
中には、「5パーセントの利回りさえ高いのでは?」と感じる方もいるでしょう。しかし、利回りが5パーセントを下回る場合、インフレリスクに備えきることができず、実質的な利益は税金分を差し引いてマイナスになってしまうリスクも存在します。
もともと日本は物価を2%インフレさせることを目標に経済政策を進めています。政策が効果を創出するタイミングにもよりますが、もし2%の物価インフレが達成されるのであれば、資産運用において2%以上は最低でも利回りとして確保しておく必要があります。
ただ、認識しておきたいのは「一つの金融商品で利回り5パーセントを達成しなければならないということではない」ということ。
つまり、複数の個別株や投資信託を複合した上で、5パーセントの利回りを目指しても問題ないのです。
このようなことを認識した上で、続いて利回り5パーセントを達成するためのポイントについて見ていきましょう。
これから投資による資産形成を始める人が目指すべき「利回り5パーセント」という水準。投資といっても個別株での株式投資をはじめ、不動産、外貨預金、投資信託など様々な運用方法が存在します。
どの資産運用の手段を選択したとしても、利回り5パーセントを達成するために意識しておくべき重要なポイントが以下の2点です。
安定的な利回りで資産運用をしていくのであれば、上記の要素をどちらも持った金融商品に投資をしていくことが大切です。
投資の世界において、分散投資という考え方は非常に重要だと言われています。
分散投資とは、投資先を一つに集中するのではなく、資産を分散するように投資をする方法のことを言います。適切に分散投資をすることで、暴落のリスクを分散できるといったメリットがあります。
分散投資がリスクを減らすことに有効であることについては、金融庁のホームページでも明確に記載されています。ただ、分散投資は正しく分散した投資ができなければ意味がありません。具体的には以下の種類での分散をすることを意識しましょう。
投資対象となる金融商品は、数えきれない種類のものがありますが、その全てが同じ動きをすることはありません。
合わせて、「株式が値上がりする時、一般的に債券が値下がりする」といった、経済動向に応じて異なる動きをする商品の組み合わせがあることも知られています。
このような、異なる値動きをする商品を組み合わせて投資をすることで、資産・銘柄の分散投資が可能になります。
同じ業界で違う会社の個別株を何も考えずに買うことは分散投資にはなりませんので注意してください。
分散投資の視点は、投資地域の観点も持つ必要があります。
投資商品は日本を対象にしているものばかりではありません。例えば円安の例を見ると分かりやすいですが、一つの国にばかり投資をしていると、その国が何らかの経済的ダメージを負った時に資産価値の目減りを大きく受けてしまいます。
つまり、異なる国に投資をするだけでも十分な分散投資になるということです。
さらに安定した分散投資を行うのであれば、「先進国×新興国」「米ドル×ポンド」のように、異なる国や通貨を組み合わせた資産運用も検討すべきでしょう。
最後に重要になってくるのが、投資期間・時期の分散です。
金融商品の資産価値は日々変動しており、急激に高騰するときもあれば、ほとんど増減しないタイミングも存在します。
投資する時期を分散することで、価値が高まっている時には少ない単位を、価値が低くなっている時には高い単位で金融商品が購入できます。
この方法は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれており、あまり経済動向に詳しくない方でもできるリスク低減の方法として広く知られています。
このような視点を持って分散投資をすれば、リスクを軽減した資産運用が可能になり、利回り5パーセントも目指せる範囲になってくるはずです。
安定した利回りを狙っていくために重要なこととして、長期的な運用という観点も忘れてはいけません。
そもそも短期的な投資で稼ごうとする方法は、投資ではなく投機です。FXや仮想通貨などは当たればリターンが非常に大きいですが、読みが外れた場合は資産がゼロになってしまう恐れもある、ハイリスクハイリターンな運用方法です。
それに比べ、コツコツと資産を積み立てていく長期的な運用であれば、値下がりのリスクを減らせることに加え、複利効果を最大限に享受できるようになります。
複利効果とは、投資によって得られた利益をそのまま投資資金として運用することで、投資利益を加速度的に増やしていくことを言います。
▲引用:金融庁ホームページ
上記の図は金融庁のホームページで掲載されている、長期的に複利効果を活かした投資をした際のシミュレーションです。
投資利益を投資元本に組み入れない「単利」での運用をした際に比べ、複利運用をした時の方が60万円多く利益になっていることが分かるでしょう。
このように、長期的な運用をすることで複利効果を最大限に活かせるだけでなく、投資タイミングを分散させる分散投資も可能になります。これにより、利回り5パーセントも十分達成できると考えられます。
利回り5パーセントを狙った資産形成をしたいのであれば、短期的な利益を求めることはやめ、長い目でコツコツ積み重ねていくことが大切です。
老後2,000万円問題や年金受給金額の削減など、将来に不安を覚えるようなニュースも増えてきたためか、資産運用や投資による老後の資産形成が注目されつつあります。
しかし、これから投資を始めようとする初心者にとっては、「何から始めればいいのか分からない」「投資は怖いし、リスクが大きいのではないか」など、不安に感じることも多々あるでしょう。
改めてここで認識しておきたいのは、資産形成を始めるにあたって重要なことの一つは「利回りを意識する」ということです。
投資した利益は利回りという数値によって算出されます。いくら聞いたことのある金融商品だからといって、儲からない商品に投資をしようと思う人はいないでしょう。
また、投資は終わりのない旅路とも言えますので、目標がなければ途中で投資すること自体をやめてしまうこともあるかもしれません。
漠然と「投資による資産形成をしたい」としか考えていない方こそ、5パーセントという利回りを第一目標として、資産運用にチャレンジしてみてくださいね。
ここまで利回りの話をしてきましたが、そもそも利回りとは何か?と感じている方のために、「利回り」という言葉のおさらいをしておきましょう。
利回りとは、投資した額に対する利益の割合のことで、基本的に投資の世界で使われる一般的な指標としての用語です。一年間の利回りのことは「年利」と呼ばれます。
利回りの計算式としては次の通りです。
利回り=利益÷投資金額×100
例えば、200万円を投資元本として投資をして、10万円の利益が出た場合は「10万円÷200万×100=5%の利回り」という計算になります。
繰り返しにはなりますが、資産運用において「いくら投資して、どれくらい儲けられたのか」ということを意識することは非常に重要です。
利回りが高いほど当然資産が増えていきますので、初心者で投資知識が無かったとしても、利回りの意識だけは忘れないようにしてください。
利回り5パーセントは、特に初心者の方が意識すべき数値となっています。分散投資と長期的な資産運用という2つの観点に注意しながら運用すれば、現実的に目指せる範囲ですので、しっかり記憶した上で投資の世界に足を踏み出すようにしてください。
また、不動産に投資する場合は、表面利回りと実質利回りという観点が出てきます。
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