iDeCo
2019.03.28
2022.12.02
iDeCoは国民年金や厚生年金と合わせて老後資金を積み立てていくための方法として年々人気が高まっています。iDeCoの人気が高い理由の一つに税制上の優遇が挙げられます。積み立てたお金に関する所得税や住民税が安くなり、運用によって得た利益はすべて非課税になります。国民年金や厚生年金は収入によって金額が決まっていますが、iDeCoは月々の投資金額を自分で決めることができます。
投資金額も月々5000円以上と手軽なため、若い方でも気軽に始めることが可能です。このように魅力がいっぱいのiDeCoですが投資先は自分で選ばなくてはなりません。どれを選んだらよいか分からないという方のために、投資信託を選ぶ際のポイントをお話ししたいと思います。
投資信託の商品を選ぶときの重要なポイントは、投資を始める時のご自身の年齢です。例えばこれからiDeCoを始めようと思っている20代、30代の若い方と中高年の方では、当然運用期間が違ってきます。iDeCoは日本国内に住んでいる20歳を過ぎた方ならばどなたでも始めることができ、60歳以降に受給することができる商品です。若い方であれば60歳になるにはまだ30年~40年もありますから、ハイリスク・ハイリターンを狙っていく「攻めの投資」ができます。
良く、iDeCoは早ければ早いほど良いと言われるのは、このためです。また、長期間に渡って所得税や住民税が優遇されるのは、結婚や子供の誕生など、人生の色々な転機がこれから訪れる若い方にとっては大きなメリットだと言えます。しかし、中高年の方には積極運用はお勧めできません。60歳までの期間が短ければ短いほど、手堅い運用が必要になってきます。
手堅い運用とは、リスクを避け、なるべく元本を減らさないようにしていく「守りの投資」です。もちろん中高年の方であっても「攻めの投資」をしている方もいらっしゃいますが、それは長年投資を続けてきて運用のノウハウを熟知している場合などに限られるでしょう。
確実な老後を担保するには、やはり守りの姿勢が大切だと言えます。なお、iDeCoは加入期間によって受け取れる年齢が決まっています。10年を超えての加入期間があれば60歳で受け取れますが、それ以降は2年ごとに受給開始年齢が1年ずつ遅れ、1か月~2年未満の場合は65歳の受け取りとなりますので、該当する方は受給開始年齢にも注意が必要です。
運用期間を決めたら、いよいよ投資信託選びに入ります。一言で投資信託と言っても様々な種類があります。まず投資対象としては株式、債券があります。次に投資先は国内と国外に分けられます。投資対象と投資先を組み合わせて、「国内株式型」「海外株式型」「国内債券型」「国外債券型」に分けることができます。
また、これらを組み合わせて運用する「バランス型」と呼ばれるものもあります。投資信託にはリスクはつきものと言われますが、株式と債券を比べると、債券の方がリスクは低いと言われています。そして、国内と海外とでは国内の方がリスクは低いため、最もリスクが低いのは国内債券型、最もリスクが高いのは海外株式型と言えます。運用期間に合わせて、これらの中から自分に合った投資信託を選ぶことが大切です。目的達成までの期間が長い場合は、国内株式や海外株式で積極的に運用し、期間が短い場合は国内債券、海外債券で手堅く運用していくことをおすすめします。
次に、投資信託の選び方の具体的事例を、運用期間別にご紹介します。まず運用期間が20年以上ある場合ですが、この場合は株式に絞った運用が可能です。株式の内訳としては、国内よりも海外株式の比率を大きくして、より積極的な運用をすることがおすすめです。例えば国内株式と海外株式の比率を1対9ぐらいにしても良いかもしれません。
次に運用期間が10年以上20年未満の場合。この場合は株式だけに絞るのではなく、債券も組み込んでいきましょう。比率は株式を7割、債券を3割ぐらいにすると良いでしょう。次に運用期間が5年以上10年未満の場合は株式と債券の割合を半々にして、分散投資をすることがおすすめです。そして運用期間が5年未満の場合は、債券中心に運用し、リスクを出来るだけ回避することが大切です。
しかし、インフレに伴うお金の価値の目減りの恐れもあるため、100%債券のみにするのではなく2割程度は株式も組み込んでおくと良いでしょう。
投資信託を長期間保有していく中で、ある程度のリスクは当然ありますが、純資産が目減りし続けているファンドは避けられる方が賢明です。純資産とはその投資信託が持つすべての財産のことです。純資産が減る原因は運用成績が悪いこと、投資家の解約が増えることなどです。純資産が減り続けると当然その投資信託は運用ができなくなります。すると、繰上げ償還に陥ります。
繰上げ償還というのは、その投資の運用が終了し、強制的に売却させられてしまうことを指します。投資信託の説明書には、繰上げ償還の最低口数が記載されていますので、その数字に近づいている場合は赤信号とみて間違いありません。次に避けておきたいのは、分配金があまりにも高いファンドです。運用が上手くいった結果、多くの分配金が生じるのは投資家にとってもちろん喜ばしいことですが、特別分配金の場合はそうとは言い切れません。
特別分配金という言葉のイメージから臨時ボーナスのようにとらえられがちですが、実は特別分配金というのは、投資家が投資したお金の一部を払い戻しているにすぎません。つまり、ご自身が投資したお金が戻ってきているわけですから、もうけは一切ありません。投資先は投資家に分配金を支払わなくてはなりませんが、運用が上手くいかない場合は特別分配金として支払っているという訳です。ですから、あまりにも高配当なファンドは、特別分配金を疑ってみる必要があります。
分配金だけに注目するのではなく、投資信託にかかった手数料や分配金の総額を合計しいくら儲かったのか、あるいはいくら損したのかを見ていくことが大切です。これをトータルリターンと呼んでいます。最後に、新商品の投資信託も避けておく方が賢明です。運用実績がないため、どのような商品なのかが現時点では分からないからです。新しいからと言って悪いという訳ではありませんが、すぐに飛びつくのは危険です。
iDeCoを始めるには開始年齢、投資商品の選び方がポイントになることがお分かりいただけたでしょうか?投資初心者の方にとってはどの商品も同じように見えてしまうことが多いですから、高配当を謳っているからと言って安易に飛びついてしまうことはやめましょう。せっかくの大切な資金を増やしていくためには、投資商品をじっくり考えて選ぶことが重要です。
中立的な立場でアドバイスしてもらえる方に相談したり、ネットで商品を比較検討したりすることも投資の楽しみの一つと言えるのではないでしょうか。また、iDeCoは運用途中に投資商品や金額を変更することも可能ですから、投資の勉強を始めたい方にもおすすめの商品です。あなたにピッタリの投資商品を探してみませんか?