iDecoで受けられる控除について

iDeCo

  • 2019.01.25

    2019.01.28

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    ここ最近、話題になっているiDeco(イデコ)とは、正式には個人型確定拠出年金と呼ばれるものです。
    これは加入者が月々の掛金を拠出、つまり一定の金額を積み立てて、定期預金、保険、投資信託などの用意された金融商品で自ら運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができる制度です。
    いわば自分で育てる年金といえます。

    このiDecoに加入できる条件や掛金の上限などは、加入者の職業などによって異なり、掛け金と利益は60歳になるまで引き出すことはできませんが、一方でiDecoを利用することによって、さまざまな税金の控除が受けられるという、節税において高いメリットがあります。
    ここではiDecoによって受けられるさまざまな税制上の控除について解説します。

    積み立て時の控除

    まずiDecoの節税における第一のメリットとして、月々積み立てた掛け金が全額、所得控除の対象になることが挙げられます。
    iDecoにおける月額掛け金の上限額は、職業や条件によって異なってきます。

    自営業者では一月の上限額は68000円です。
    会社員では、会社に企業年金がない場合では23000円。
    企業型確定拠出年金のみに加入の場合は20000円。
    企業型確定拠出年金と厚生年金基金および確定給付企業年金に加入、または厚生年金基金か確定給付企業年金に加入している場合は12000円です。
    公務員の場合は12000円。
    専業主婦/主夫では23000円になります。

    年収などの条件によっても異なりますが、基本的に、毎年、iDecoの積み立てに用いた一年の合計額、合計144000円から816000円以上までが所得控除の対象になります。
    この税額控除についてですが、自営業者は確定申告、会社員の場合は年末調整によって対応します。
    例えば30歳の会社員が月々12000円の掛け金でiDecoを始めたとして、60歳まで続ければ30年間のトータルで、概算864000円の節税になります。

    自営業者が40歳から、月々68000円の上限額でiDecoを始めた場合は、年収にもよりますが、20年間トータルの概算で、最大4896000円の節税になります。
    iDecoは月の掛け金は最低5000円からそれぞれの上限まで、1000円単位で月々の掛け金を自由に決められるため、自身の年収やこれからの収入の変化など、ライフステージに合わせて、無理がなくもっともお得に節税できる額で継続することができます。
    そして可能な限り早い年齢から始めるほど、節税の上で有利になるのがiDecoです。

    現在、30代の会社員や公務員などの方、また税額の高さに悩んでいる自営業者の方などは、5000円の最低金額からか、あるいは自身の年収状況に見合った掛け金で始めてみるのもいいでしょう。

    運用時の控除

    iDecoの節税における第二のメリットは、投資で得た運用益にまったく課税されないという点です。
    通常の投資で、株や投資信託などの金融商品を運用して利益を得た場合は、得た利益額に、所得税と特別復興税の15.315%と住民税の5%が課せられ、合計20.315%の税金が課税されます。
    例えば株式投資で年間50万円の利益があった場合、その利益には10万1575円の税金がかかり、実際に手にする金額は39万8525円になります。

    しかしiDecoの場合、運用で出た利益はすべて非課税になるのです。
    もっともiDecoは年金としての確実性を重んじるため、短期間で大きな利益が出る性質のものではありません。
    しかし通常の投資に比べればかなりの節税になる上、本来は税金として引かれるはずの額も再投資に利用できるというメリットから、複利効果を最大限に生かすことができて、通常の投資よりも効率よく資金を増やせます。
    この非課税による複利効果は長期間続けるほど大きくなり、金額や年数によっては、通常の投資で同じ程度の利益があった場合に比べて、数100万円の差が出るケースもありえます。

    もし老後の資金のために20年や30年の長期スパンでの投資を考えているなら、iDecoを利用することが、確実性が高く、利益率も高まる方法だといえます。
    資産運用については、知識のない方にとっては不安も多いと思われます。
    しかしiDecoでは月の掛け金が控除対象になる上、最低で5000円からでスタートできます、また各運用機関において、専門家がリスクの少ない金融商品の組み合わせをアドバイスしてもらえます。

    中には元本保証型の投資商品もありますので、初心者でも安心してはじめることができます。
    会社や公的年金だけでは老後が不安だと思われる方にとっては、iDecoでの資産運用は、その信頼性の高さから有効な選択肢のひとつだと言えるでしょう。

    受け取り時の控除

    iDecoでの節税第三のメリットは、60歳以上になって、積み立てた資金を受け取るときにさまざまな税制優遇が受けられる点です。
    60歳になった時点で、会社員などであれば退職金が出る、またiDeco以外の年金を受け取れるようになります。
    iDecoの資金ついても、60歳からは年金形式による分割での需給か、あるいは一時金という形で受け取ることができます。

    そしてiDecoの資金は、年金形式で受け取る場合は公的年金控除となり、公的年金と合計した年間の需給額から、一定の控除額を引き、さらに年金の合計額による段階的なパーセンテージを掛けた額のみに課税されます。
    まず年金などによる所得の総額が、65歳未満であれば70万円、65歳以上になると120万円までであれはまったく非課税になります。

    そして例えば60歳未満で年金などの所得総額が400万円の場合、控除額は37万5千円になるので、実際には362万500円に課税割合である75%をかけた、271万8750円にのみ課税されます。
    これは逆に言えば、128万1250円までは非課税になるということです。

    また一時金として一度に全額受け取る場合は、退職所得控除が適用になります。
    これは会社の退職金やiDecoの一時金など、退職所得の合計額が一定額まで非課税になるというものです。
    非課税額の計算方法は、勤続年数が20年以下の場合は、40万円×勤続年数の額。
    20年以上の場合は800万円+70万円×(勤続年数-20年)の額まで、他の退職所得と合算した額が非課税になります。

    例えば35年間、勤務した場合では、退職金やiDecoの一時金などを合計した1850万円までが非課税になります。
    また、万が一、iDecoに加入していた方が、70歳になる前に高度障害になった場合は障害給付金を受け取ることができ、また60歳を迎える前に亡くなられた場合は、死亡一時金を家族が受け取ることもできます。

    まとめ

    iDeco、個人型確定拠出年金は、自身で金融商品を選んで運用し、資金を増やしてゆく、いわば「自分で大きくする年金」です。
    自身の判断により、金融商品の配分で積極的に資金を増やす運用から、バランスの取れた運用まで、さまざまな運用スタイルが可能です。

    またiDecoよる資産運用には、月々の掛け金が税額控除の対象になる他、運用利益、そして60歳をすぎての受け取り時とさまざまな税制上の優遇が受けられます。
    そのため大きな運用益を期待せず、元本保証型の商品など、ローリスクローリターンの堅実な金融商品を選び、ただ老後に備えた積み立て金として加入するだけでもメリットは大きくなります。
    老後に備えた資産運用と節税の両面に役立つ制度、それがiDecoです。

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