不動産投資
不動産投資に関する質問
「定年」という2文字を意識し始めた、50代のサラリーマンです。将来に向けてそれなりに貯蓄もしてきたつもりです。しかし老後何があるか分かりませんし、人生80年と考えても、家族を持つ身としては今の資産では心もとない部分もあります。
そこで、これまで「資産運用」や「投資」には無縁のまま来ましたが、興味が出てきました。特に不動産投資は知識や経験が少なくても始めやすいと聞いたのですが、これから「シニア世代」に突入する私でも問題ないのでしょうか。
具体的な希望としては、月10~20万円ほどの収入が得られればと考えております。漠然と、もう少し時間に余裕ができてから、本格的に勉強して不動産投資を始めたいと考えていたのですが、それでは遅いのでしょうか?
やはり審査の面などを考慮すると、会社員として勤めている今、早めに不動産投資を始めるのが賢い選択なのでしょうか?
また、シニア世代となる私たちが不動産投資を始める際の注意点やリスクなどがあればぜひ知りたいと思っています。つい不動産投資の成功例やメリットばかりに目が行きがちなので、現実的な問題点なども把握しておきたいと考え、質問させていただきました。
シニア世代が不動産投資を始める時の注意点としては、何より堅実な返済計画を考えておくことです。貯蓄やその他資産、ローンがあればその残高、年金額などを確認して、改めてライフプランを見直してみましょう。考慮すべき点として、まずいくらまでなら月々返済できるのかが重要です。
50代、60代ともなるとそれが融資を受けられる最後のタイミングとなってしまうかもしれません。賢く効率的に借り入れする必要があります。自己資金が目減りするのを避けるためにフルローンにして返済額が高くなってしまうと、家賃収入が思わしくない時に返済が苦しい状況になってくることもあるので注意が必要です。
また、ローン完済後にどれほどの家賃収入が得られるのかを把握しておく必要があります。ここで得られる収入こそが、老後の生活に影響してくるためです。
そのため、返済中だけでなく完済後についても、家賃が下がったり空室が続いたりするというリスクについて考えておくべきです。そういったリスクを回避するための方法としては2つ。
まずは不動産投資向け資金として、不動産購入にかかる費用だけでなく、建物の修繕費やいざという時のための予備資金も用意しておくことです。
また、日常の生活資金もきちんと現預金で用意しておきましょう。そしてもう1つは、物件の見定めです。家賃が値下がりしそうな条件はないか、リフォーム費がどのタイミングで必要になりそうかなど、十分に検討したうえで購入しましょう。
シニア世代の不動産投資は可能なのか。不動産投資を始めるにあたって明確な年齢制限は存在していません。ただ一般的な会社員が不動産を購入して投資を始めるには、融資がポイントとなります。では何歳まで融資が受けられるのかと言うと、こちらについてもやはり明確な年齢制限はありません。
とは言え現実問題として、融資をしてもらえるかどうかとなると、やはり年齢制限が全くないとは言えません。ローンを組んで返済していくにあたって、資産的にも年齢的にも完済可能な年齢でなければ融資が通るとは考えにくいですよね。
たとえば35年ローンを組みたいと思っても、60代で融資が通るのは難しいと言えます。
このように、融資の面ではシニア世代には不利だというのが事実です。ではやはりシニア世代が不動産投資を始めるのは難しいのかと言えば、必ずしもすぐに諦める必要はありません。
自己資金がたくさんあり、運用にまわせるだけの余裕があるのであれば、年齢のハンデを乗り越えることができるでしょう。頭金に資金を多くを当てたり、1戸単位の少数から現金購入できる範囲で投資を始めたりなど、ある程度資産形成してきたシニア世代ならではの強みもあります。
もちろん、その気があるなら少しでも若いうちに投資を始めてローンの完済をして、老後資金を形成していくのが望ましいかと思いますが、年齢という壁が不動産投資の妨げになるとは限らないと考えておいて良いでしょう。