株
株に関する質問
資産運用に興味があり、株式についても個人投資を考えて、いろいろと調べている者です。
2007年頃には、株の売買単位(単元株)は1株、10株、50株、100株、200株、500株、1000株、2000株と8通りあり、株を売り出す上場企業がこの中から売買の単位を決めていました。
しかしその後、全国の証券取引所の取り組みにより、2014年には売買単位は100株と1000株の2通りのみになり、2018年10月からは、全国での売買単位が100株に統一されたと知りました。このことは株式投資の世界にどのような変化を招き、特に個人投資家にとってはどのようなメリットとデメリットが発生するのでしょうか。
資金の少ない個人でも株が買いやすくなるといったことは、おおよそ予想がつくのですが、単位がバラバラだった過去の株式の売買単位がどのようなもので、どういう理由から統一されるにいたったのか。
また統一される前の取引と比較して、実際にどのような変化があり、今後はどのような変化が予想されるかなど、具体的に説明していただければありがたいです。また、売買単位が100株に統一される前と統一後では、一株あたりの株式価格に変化はないのでしょうか。
株の売買単位が100株単位に統一され、一単位おおよそ5万円から50万円の範疇で購入できるようになったことは、個人投資家が少ない資金で株式売買に参加しやすくなった以外にも、さまざまな利点があります。
例えば売買単位が8種類あった頃は、売買単位の50株と500株、100株と1000株を誤るなどして、用意している資金の10倍以上の株を誤発注してしまうという事態も多くありました。
それが100株に統一されたことで、株価を見れば必要な購入金額がその100倍とわかりやすくなり、誤発注のリスクが格段に少なくなりました。
また株に限らず投資による資産運用では、例えばハイリスク、ハイリターンの銘柄と、手堅い銘柄を組み合わせて買うといったリスク分散が重要になります。株の売買単位が統一されたことで、個人投資家の少ない資金でもより多くの銘柄の株を購入できるようになり、このリスク分散が非常に行いやすくなりました。
総じて、株の売買単位の100株への統一は、取引所にとっては管理コストが増えるといった課題もありますが、個人投資家にとって特にデメリットはなく、個人投資家の増加による市場の活性化や、マーケットの混乱を防いで、市場への信頼性が高まるといった効果もあります。
2007年当時、証券取引所での株の売買単位(単元株)は8通りあり、銘柄によってバラバラでした。
このため例えば1株1000円の銘柄でも単元株が2000株なら、一単位の購入に200万円が必要で、個人投資家の参入が難しいことをはじめ、多くの不便がありました。そこで全国の証券取引所は、個人投資家が参入しやすい市場を作るために、投資金額の単位を5万円から50万円に収める目標を明示して段階的に売買単位を少なくし、2018年10月には最終目標である100株単位への統一を果たしました。
そのために例えば1株1000円の銘柄なら100株で10万円から購入が可能と、個人投資家でも投資しやすくなりました。また低額の株式が増えたことで、毎年120万円の非課税投資枠が利用できるnisa(小額投資非課税制度)でも、複数の株式が扱えるようになりました。
これは規定の金額以内で、複数の投資商品を購入してリスクとリターンのバランスを調整できるnisaの利点を、より活かせるということでもあります。ただ、この売買単位の統一に際して、企業側が株式併合を実施したケースもあります。
株式併合とは、例えばこれまで1株500円で売買単位が1000株のため、売買単位が50万円の株式銘柄が、売買単位の統一に際して、旧来の5株を1株に併合し、1株の額を2500円にすることで単元株を25万円にして、単位価格の極端な低下を避ける措置です。