お金の教養
2019.03.28
2022.12.02
投資を始める時に、誰もが悩むのが投資金額の決め方ではないでしょうか。所持金があり余っているならともかく、多くの方が限られた資金の中で始めるわけですから、金額設定はとても需要です。また積極的な運用は決して悪いことではありませんが、初めから金額設定のハードルを高くし過ぎてしまうと、決して長続きしません。
長い人生の間には、病気やケガで入院することがあるかもしれませんし、冠婚葬祭にまつわるお金も必要です。それらの不測の事態に備えて、初めはハードルを低くしておくことも大切ではないでしょうか。投資はあくまで余剰資金で始めるのが大切と言われます。それは、ご存知の通りリスクが伴うからです。ではどのように投資金額を決めていけばよいのでしょうか。
正しい投資金額を決めるのにはいくつかのステップがあります。最初のステップは「何のために投資をするのか、そのためにはいくら必要なのか」をはっきりとさせることです。「海外旅行に行きたい」「新車を買いたい」「住宅を購入したい」など、目的は人それぞれでしょう。そして、そのためにはいくらかかるのかを数字できちんと把握しておくことが大切です。
次のステップは「いくらぐらい投資に回せるのかを計算すること」です。当然のことですが、毎月の収入の中で食費や家賃、光熱費、通信費など生活に絶対に必要なお金を投資に回してはいけません。そして、保険や他の貯蓄に必要なお金も取っておかなくてはなりません。また、急病などに不測の事態に備えて予備費もあらかじめキープしておきたいところです。収入からこれらの予算を差し引いた金額プラス現在の貯蓄が投資金額の上限になります。当分使う予定のないお金があるという場合は、ぜひ投資に回したいものです。
3つ目のステップはシミュレーションです。これには「終価係数表」を使います。終価係数とは投資した金額が将来いくらになるのかを計算するための数字です。そして、それを早見表に表したものが、終価係数表です。縦軸には期間、横軸には金利が示されています。この、期間と金利がクロスした箇所の数字を投資金額に掛け算してあげれば、おおよその金額が分かるという訳です。
例えば、10年後に1500万円貯めたいと考え、現在1000万円の貯蓄があるとします。手持ち資金の1000万円を金利1%で運用すると、1.105×1000万=1105万円となります。そして1500万マイナス1105万=395万が不足しているので、毎月の投資またはその他の商品で積み立てていけば良いということが分かります。
投資初心者の方にはiDeCoやNISAもおすすめです。どちらも非課税投資制度と呼ばれ、節税対策として近年人気が高まってきていますので、名前を聞いたことがあるという方も多いことでしょう。そして、どちらも数百円~数千円といった少額から始めることができます。ではiDeCoとNISAの違いは何でしょうか?まずiDeCoは老後資金を自分で貯める商品です。基本60歳になるまで引き出すことは出来ません。
また、ひと月の投資額の上限が職業や加入している年金の種別によって決められています。例えば公務員の方は毎月12000円が上限ですが、自営業の方は68000円と5万円以上の差があります。会社員の方は、会社の企業年金の種類により12000円もしくは20000円となっています。会社が企業年金に加入していない会社員の方と専業主婦の方は23000円です。iDeCoは拠出金も運用益も非課税です。
一方NISAは運用期間が短く5年あるいは最長10年となっています。そしてひと月の上限は職業や加入している年金による違いはなく、一律10万円が上限です。また運用時は非課税ですが、投資するお金は課税になります。資金の引き出しがいつでも可能なところもiDeCoとの違いです。
このようにiDeCoとNISAには違いもありますが、どちらも初心者の方が気軽に始めることができますので、投資を始めるための良いファーストステップになると思います。そして、iDeCoとNISAはどちらか一つしか運用できないという訳ではありませんから、ダブルで運用すれば、より効果が高まるでしょう。違いを把握して、積極的な運用を始めてみてはいかがでしょうか。
初心者の方にとって投資商品選びはとても大変なもの。あれこれ探せば探すほど迷ってしまって決められないという方も多いのではないでしょうか?投資商品と呼ばれるものはおよそ6000本もあると言われていますから迷うのは無理もありません。ベテランの投資家の方であれば数ある商品の中から自分に適切な商品を選ぶのも楽しみの一つかもしれませんが、初心者の方にはなかなかそのような余裕はありません。投資は早く始めるほうがお得と言われますから、悩んでいるうちにどんどん時間が経ってしまうのはもったいないことです。
そこで、まずはプロの力を借りて投資信託か保険から始めてみることをおすすめします。保険というと生命保険が代表的なものですが、生命保険には掛け捨てタイプのほかに貯蓄型と呼ばれるものがあります。貯蓄型保険には円建て、外貨建て、変額の3つがあり、円建ての場合は元本が保証されていますが、残りの2つは元本割れの恐れがあります。
しかし、現在の国内の低金利を考えると、外貨建て、変額の方がリスクがある分、大きな利益も期待できます。外貨建て保険はその名の通りドルやユーロで保険料を支払い、受取も外貨で行います。そのため受け取ったお金を日本円に換金しようとする際、為替リスクを伴います。そして変額保険とは運用実績に応じて満期保険金や解約払戻金が変動する保険で、一生保証が続く終身型と、期間が決められている有期型の2つがあります。
一方投資信託はご存知の通り預けたお金をファンドマネージャーなど専門家が運用してくれます。手元にまとまったお金がないという方も、積み立てで行うことができます。保険も投資信託も投資商品を自分で選ぶわずらわしさから解放されるというメリットがありますし、NISAやiDeCoの投資信託であれば税制面もお得になります。
いかがでしたか?投資金額の決め方と具体的な方法が分かれば、あとは商品を選ぶだけです。投資商品はどれも魅力的に見えてしまいますし、高配当を謳った宣伝文句に惹かれてしまいがちです。キャッチコピーに目が奪われて、その陰にはリスクも付きものであることを忘れてしまうのです。しかし、ここは冷静になってじっくりと選ぶ目を養いたいものです。選ぶ自信がないという方は、プロの手を借りるのもベストな手段です。
また、投資を始めてからもネットでプロに無料相談できるサイトもありますから、初めて投資をする方は失敗する前にぜひ利用してみましょう。これからも新しい投資商品がどんどん出てくると思われます。その際も今回の内容をふまえて、ご自身にあった投資方法や運用方法をお選びいただければ幸いです。