iDeCo(イデコ)のデメリットを回避するには

iDeCo

2018.11.15

2022.12.02


  • 将来、より豊かな生活を送るために自分年金を作ることを目的とした個人型確定拠出年金であるiDecoは、掛け金が全て所得控除になったり、運用利益や受け取り時に一定額分が非課税になったりと非常に多くの節税をすることができます。

    それによって効果的に資産を増やしていくことが出来るということからとても人気の出てきている資産形成方法です。
    iDecoはメリットばかりが注目されていますが、もちろん少なからずデメリットというものも存在しています。

    そんなデメリットを少しでも回避しながら上手く資産形成をしていくためにはどうすれば良いのか、その対策についてまとめていますので現在運用中の方も、これからやってみようと思っているかたも要チェックです!

    掛金を変更する

    iDecoの持つデメリットとしてまず一つ目にあげられることは、基本的には60歳までは積み立て金を引きおろすことは出来ません。
    あくまで年金を自分で作るためのものであって、公的年金にそれを上乗せするという性質のものですので、公的年金と同じように60歳までは引き出すことは出来ないようになっているのです。

    ですのでいくら節税効果が高いからといって自分の資金の中から無理をして拠出をしてしまうと、引き出すことが出来る年齢になるまでの生活で不自由を強いられることになってしまいます。

    また資金が少なくなったから脱退したいと考えたとしても、一度加入してしまうと脱退するにもいくつかの条件を全て満たす必要があります。
    その条件とは国民年金の保険料が免除、窓外年金を受給する権利を持っていない、拠出期間が3年以下もしくは資産額が25万円以下、加入者資格を失ってから2年以内、企業型の確定拠出年金から脱退一時金を需給していないことです。

    これらの5つ全ての要件のうち一つでも満たしていない場合には脱退することすらできないのです。
    このデメリットを回避するためには自分の資産状況に合わせて掛け金を変えていくことが必要になります。
    脱退することは出来なくても、掛け金を変更することは出来ます。年に1度、12月から11月の間であれば変更をすることが認められています。
    この際に資金に余裕があれば掛け金を増やし、資金があまりなくれ厳しいようであれば掛け金を減らすことによって、自分の手元に残る資金を調整することが出来るのです。iDecoは長期に渡る運用を基本としています。

    もちろんその間にはライフスタイルや収入にも変化が生まれてくるものです。
    その変化に合わせて掛け金を調整しながら運用していくことが非常に重要になります。

    所得控除を利用

    iDecoは投資ですので、運用していくにあたって必ず手数料というものが発生してきます。

    もし利益があまりでない状況で手数料が引かれていってしまうと、結果的に赤字になってしまうということもあります。
    個人型の確定拠出年金でかかる手数料は、まず確定拠出年金に入る際にかかる加入手数料、そして毎月国民基金連合会と信託銀行に対して支払う口座管理手数料、利用している金融機関に支払う運営管理機関手数料、その他にも事務取扱手数料、事務委託先手数料などがあります。

    口座管理手数料は2つ合わせて167円と決められているので変動はありませんが、金融機関の手数料は場所によって変わってきます。
    高くても何百円の世界ですので、あまり差がないのではと思われるかもしれません。

    ですが、iDecoは受け取ることが出来るようになる60歳までの長期間運用をしていくものです。
    一見少額であったとしてもそれが積み重なると、非常に大きな出費になってしまいます。

    そしてこれは通常の預金と比較すると遥かに高額な手数料になります。
    そんな手数料がかかってしまうというデメリットを回避するためには所得控除を上手く利用することです。
    iDecoの大きな魅力は、掛け金が全て所得控除の対象となるということです。これによって所得税や住民税を節税することが出来ます。

    ある程度の額を拠出していれば、たとえ運用していて利益が出なかったとしても手数料分くらいは節税によって賄うことが出来るのです。
    手数料は投資を行う額に関わらず一定ですので、より多くの額を拠出すれば手数料自体の影響は小さくなります。

    また、所得控除はより多くの金額を拠出すればより高い金額の節税になりますので無理の無い範囲でではありますが、ある程度の額を拠出していくことをおすすめします。

    元本割れリスク

    iDecoのデメリットとしてもう一つ上げることができるのは、投資という性質上元本割れをしてしまうリスクがあるということです。
    将来のための大切な資産ではありますが、運用によっては元々の掛け金よりも下回ってしまうということもあります。

    将来豊かに暮らすために行っていることなのに、試算を減らすことになってしまってはがっかりですよね。
    このデメリットを回避するためには、運用する商品を選ぶ際に元本確保型のものを選ぶということです。

    運用商品の中には値動きによっては大きなリターンを得ることもありますが、元本割れを起こしてしまうこともある元本変動型のものと、利益は大きくでなくても元本は確保されている元本確保型のものがあります。

    この2つから自分でどちらを利用して運用していくかを選択するのですが、どうしても元本割れをしたくないというのであれば元本確保型のものに全ての掛け金を拠出すれば安全です。

    しかしもちろん元本変動型のもののような大きなリターンは期待出来ませんので利益は求めていなく、所得控除によって節税することを目的とする方におすすめの方法です。
    そして元本確保型とは言ってもインフレが進んでしまえばお金自体の価値が下がってしまう危険性があること、途中で解約した際には解約金がかかってしまうこともあるということは忘れてはいけません。
    大切な資産ですので、しっかりと守っていきたいと思うのは当然のことです。

    ですがせっかく運用を行うのであれば多少なりとも増やしていくことを考えていくと良いのではないでしょうか?
    そのためにも全てを元本確保型に拠出するのではなく、一定金額は必ず返ってくるように元本確保型に拠出して守っておいて、残りの資金は元本変動型に拠出して少しでも運用利益を出していくというのがおすすめの運用方法です。

    そうすることで節税によるメリットを受けながら、資産を守りながらもきちんと運用して資産を形成していくことが出来るようになるのです。

    まとめ

    iDecoは掛け金が全額所得控除の対象になり、運用利益は非課税であるなど良い点ばかりが取り上げられて人気になっています。
    もちろんとても有効な資産形成の方法ではありますが、投資である以上デメリットというものもあるということを忘れてはいけません。

    ですが、iDecoのもつデメリットはどれも自分次第で回避することが出来るようなものです。
    大切なのは良いところばかりに目を向けるのではなく、きちんとデメリットも理解した上で利用していくということです。
    それによって対策を講じることも出来ますし、より効果的に運用していくことも出来るようになります。

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