資産形成
2019.06.28
2022.12.02
40代になると仕事において重要なポジションになったり大きな仕事を任されるなど働き盛りの時期であり、収入も安定してきます。その一方でお子さんがいれば教育資金が必要になったり、住宅や車を購入したりと支出も非常に多くなります。なかなか貯蓄をするのが難しい時期ではありますが、老後のためにはきちんと資産を用意しておかなければいけません。40代から始めるのにおすすめの資産形成や、資産運用の方法についてご紹介しています。将来のお金について心配があるという方は、参考にしてみてください。
老後に必要な資金をきちんと作っていくためには40代で始めるのがラストチャンスであると言われていますが、それはどのような理由からなのでしょうか?
まず40代というのはきちんと仕事をしていればある程度の収入が確保出来て、資産もそれなりに所有出来ています。家族がいればもちろん支出が増える時期でもありますが、それでも投資などに回す資金の余裕はあるはずです。十分な資産を形成しようと思ったら、貯蓄などで銀行にお金を預けておくだけでは不十分です。様々な方法で所有しているお金を運用し、増やしていくことが必要になりますので投資を行う資産を作ることが出来るというのは非常に重要なポイントとなります。
また60歳で定年を迎える会社に勤めている場合には、定年までに20年ほどの時間があります。その間はお給料をもらうことが出来、収入の心配はありません。定年の時期が迫ってくると収入の不安が出てきてしまうものですが、定年までに時間のあるこの時期であればまだ余裕がありますので少しリスクのある投資にもチャレンジ出来ます。投資というのは高いリターンを得るためには高いリスクを負う必要があります。もちろん自分にとって無理のあるリスクを負って、高すぎるリターンを狙うのは危険ですので行うべきではありませんが、ある程度のリスクのある投資には積極的に取り組んでいくことが資産形成を成功させるためには必要になります。
そしてこの時期であれば長期投資にも挑戦することが出来ます。長期投資で利益を出していくためには、ある程度の時間が必要ですので出来るだけ早く始めることがおすすめです。長期投資は少額で始めることも出来ますので、リスクを抑えながら資産を作っていくことが出来ますので取り組みやすい方法です。ですが始めるのが遅いときちんと利益を獲得することが出来なくなってしまいます。40代であればまだ定年を迎えるまでに時間がありますので、長期投資を出来る期間を長く確保することが出来ます。
このような理由から、40代は十分な資産を形成するための最後のチャンスであると言えます。
では資産形成をするためにはどのようにしていけば良いのでしょうか?3つのステップに分けて見ていきます。
まずはお金を使用する時期や目的によって分類していきます。分類する際には必要な時に自由に引き出すことが出来るお金、今すぐではないけれども少し先の時期に明確な目的で使用する予定のあるお金、当面は使用する予定がないので将来のために貯めておくことが出来るお金の3つに分けます。
1つ目の自由に使用したいお金は普通預金に入れておきます。2つ目の使う予定が決まっているお金は使用するまでにある程度の期間がありますので少しでも利率の良い定期預金に預けておくと良いです。将来のために貯蓄するお金は資産形成のために使用できるものとしてとらえます。
定期預金や元本が保証されているものを利用するのも良いですが、多少リスクはあったとしても大きなリターンを得ることが出来る可能性のある株式や不動産への投資にチャレンジするのもおすすめです。このように所有している資産をきちんと分けておくことによって、貯めて守るべきお金と資産を作るために運用していくお金を明確にすることが出来ます。
次に退職した後にどれくらいのお金が必要なのかを考えて 、貯めるべき金額を決めます。どのような生活を送っていきたいのか、仕事を辞めた後に収入はあるのか、退職金や年金の額はいくらになるのかなどをまず考えます。そしてそのために足りないお金はどれくらいであり、今から始めるとなるとどのようにしていけば良いのかということを分析していきます。
目標金額がはっきりとしていない状態で闇雲に始めても、具体的な計画を立てることが出来ずに失敗してしまうことが多いです。先のことをイメージするのは難しいことですので、一般的なデータとして算出されたものを参考にしてみても良いでしょう。様々なモデルケースで算出されたデータがありますので、自分の家族に一番近いものを参考にするようにしましょう。
但し老後にどのような生活を送りたいと思っているかは人によって様々です。特に贅沢をせず質素に静かに暮らしていきたいという方もいれば、これまで頑張ってきた分沢山旅行をしたり贅沢をしたりして楽しみたいという方もいるでしょう。それによって当然ですが必要になってくるお金も変わってきますし現時点での貯蓄額や資産、収入は人それぞれです。データを参考にするだけではなく、自分の状況や希望をしっかりと反映させて目標を設定する必要があります。
目標が決まったら、いよいよ投資を開始します。小さなリスクで資産形成をしていくためには、少なくとも10年以上の期間が必要であると言われています。定年までの時間を考えても、出来るだけ早く始めることが得策と言えます。投資をする際にはiDeCoやつみたてNISAのような新しい制度というのも積極的に活用するようにしましょう。
iDeCoは所得税や住民税などを節税しながら資産を形成していくことが出来る方法です60歳になるまでは引き出すことはできませんが、その分きちんと積み立てていきやすいです。つみたてNISAは節税されることはありませんが、投資商品が非常にわかりやすくなれていない人でも始めやすいです。運用起案は20年であり、長期投資にも向いています。どちらも運することによって得られた利益は非課税になりますので資産を増やしていくのに非常におすすめの方法です。
それでは具体的に40代から始める資産形成の方法としておすすめのものをご紹介していきます。
まずは個人向け国債です。国債とは、国が発行する債券のことであり、発行は法律に基づいて行わます。利子や元本の支払いは国が行い、国民の生活を豊かにするための様々な目的のために使用されます。その中でも個人向け国債というのは、個人が国債を保有することを促進するために作られた金融商品です。まず個人が投資をして国の借金を代わりに支払うことによって、後で利子を付けてお金を返してもらいます。その利子を利益として資産を増やしていくものです。1万円単位という非常に低額から始められ、途中で換金をすることも出来ますので資金のあまりない個人であっても利用するハードルが非常に低くなっています。
通常の債券の場合には、少ない金額で投資できることはありませんので手軽に始めることが出来る数少ない投資方法と言えます。発行は年に12回行われ、数多くの銀行や証券会社で購入することが出来るというのも利用しやすいポイントとなっています。利率は他の金融商品と比較すると決して高いものではありませんが、途中で解約をいなければ基本的には元本が保証されます。国が破綻する可能性は極めて低いですし、金融機関が破綻しても確実に返金してもらうことが出来ますのでリスクが少なく安全性が非常に高いです。
利率が低いとはいっても銀行の定期預金にあずけておくよりは良いので、リスクのない方法であまり多くの利益を望まないというのであればおすすめの方法です。しかし発行してから1年間は解約することが出来ないということや、解約をする際にはペナルティがあるなどの注意点もあるということを忘れないようにしましょう。
次におすすめの方法が個人年金保険を利用するという方法です。個人年金保険とは生命保険会社が取り扱っている貯蓄性が高い生命保険のことで、決められた年齢から年金を受け取ることができる保険です。生命保険は本来加入している本人が死亡した後に、家族に保険金が支払われるものですがこれは生きているうちに保険金を受け取ることが出来ます。老後のための資金の積立はもちろん、教育資金や住宅購入のための資金の積立などに利用されることもあります。
年金の受け取り方は主に2種類あり5年、10年、15年というような一定期間が経過すれば確実に受け取ることが出来る確定年金と、終身年金に5年や10年などの分は確実に受け取れる保証期間がついた保証期間付き終身年金というものがあります。
途中で解約をしない限りは、きちんと利益を生むことが出来る有効な資産形成方法です。また支払った保険料は生命保険料控除として所得税や住民税の節税効果もあります。そして保険となると持病や既往歴のある方は加入できないのではないかと心配をするかもしれませんが、20歳以上60歳未満の人であれば医師の診断や健康に関する告知が不要ですので誰でも加入することができるのです。
個人年金保険にはいくつかの種類があり、受給期間によって3つに分けられます。1つ目は終身年金で生きている間はずっと年金が支給されるものです。死亡死亡するまではずっと受給することが出来ます。2つ目は有期年金で、生きている間の一定期間のみ支給されるものです。死亡した際か、一定期間が過ぎると支給は終了します。そして3つ目は確定年金です。決められた期間の間は例え死亡したとしても支給されるものです。さらに運用方法によって2つに分けられます。契約をする時点で将来受給することが出来る年金の金額が決まっている定額年金と、運用の結果次第で将来受け取ることが出来る金額が変わる変動年金です。定額年金はリスクの低い金融商品での運用をし、変動年金はリスクの高い金融商品で運用を行っていきます。
このように個人年金保険には年金の受給期間や運用方法によっていくつもの種類があります。自分にはどのタイプが合っているのかをきちんと判断して、選んでいくことが重要になります。
3つ目にご紹介したいのが、積立投資です。積立投資は毎月一定額の投資信託を購入するという投資方法です。毎月一定金額を積み立てていくとなると、貯蓄と変わらないのではないのかと思われるかもしれません。しかし貯蓄では自分が預けている金額以上の金額にお金が増えていくということは、現在のような低金利の時代にはほとんどあり得ません。
投資信託は、国内や海外の株式や債券などをセットにした金融商品で、投資家から集めたお金をプロの専門家が運用してその運用結果に応じて配当金を受け取ることが出来るという仕組みになっています。この投資信託に積立投資を行うことによって、同じように毎月お金を積み立ていたとしても貯蓄とは違ってお金を増やしていくことが出来て比較的大きな資産を形成することが出来ます。
そして積立投資のメリットは少額で行えることになります。投資にはある程度まとまったお金が必要となりますが、積立投資は利用する会社によっても違いますが、ネット証券などを使用すれば100円からでも投資することが出来ます。自分の所有する資金の中から余裕のある分で始めることが出来るので、取り組みやすく、継続していきやすい投資方法なのです。
またタイミングについて悩む必要がないというのも大きな魅力となっています。投資において購入するタイミングというのは非常に重要です。タイミングが合っているかどうかということによって結果が大きく変わってきますが、購入する時点では判断することが出来ませんので見極めるのがとても難しいです。ですが積立投資であれば毎月同じ時期に一定金額を積み立てていきますので、購入のタイミングに悩むこともありませんし購入時期の分散にもなります。
ただし積立投資は元本保証ではないということには注意が必要です。運用結果によっては損をしてしまうこともあります。しかし購入することが出来る金融商品には様々な種類があり、その中にはリスクの大きなものから小さなものまでそれぞれです。もちろんリスクとリターンは比例していますので、資産を形成していくためにはバランスを見ながら選択をしていくようにすると良いです。
40代はある程度の資産があり、収入も安定してくる時期です。しかしお子さんがいれば教育資金が増えてきますし、家の購入など支出も増えてきます。そのためなかなかお金を貯めていくのが難しいです。しかし、定年までの時間を考えても、老後を金銭的に安心して過ごすための資産を形成するためには40代から資産形成を始めていくことが必要です。
資産形成の方法は沢山ありますが、所有している資産を守りながら少しずつ増やしていく個人向け国債や個人年金保険やリスクは少しありますがより高いリターンを狙う攻めの方法である積立投資を行うのがおすすめです。一つの物に集中させるのではなく、分散して投資を行っていくことで資産を守りながらも増やしていくことが出来ます。十分な資産を作っていくためには投資期間は長いに越したことはありませんので、出来るだけ早く始めることをおすすめします。