20代で資産形成・資産運用を始めるメリットとおすすめ商品

資産形成

2019.05.26

2022.12.02


  • 少子化の影響で年金受給が今後行われない世代が出てくると懸念されることに加え、長きに渡る不景気も影響し、将来への貯蓄を自分たちで行なう人も多くなってきました。老後の生活を年金だけに頼ることができないので預金を考える人も多いですが、金融機関に預金をしていても還元率はそれほど高くありません。

    そのため、投資や積み立てで老後も安定した生活を行なえるように備える必要があります。しかし、投資を行なう前に資産形成とはどういったものかしっかり把握しておくことが重要になります。20代からでも始めることができるおすすめの投資商品や積み立ての他、そのメリットとデメリットやおすすめの資産形成方法をご紹介していきます。

     

    資産形成って何?資産運用って何?

    株などの投資を行ない資産を増やすことが資産形成と考えている方も多いですが、必要な時に必要な分の資金を用意できるように準備しておくことが、本来の資産形成の在り方です。お金は働いて手に入れ、増やすことのできるものですが、人はいずれ働けなくなる状況に陥ってしまいます。病気や老後のように上手く働けなくなっても、資金が十分にあれば生活を行なっていくことができますが、国の保障だけでは賄えないのが現状です。そのため、現金で貯金を行なったり、金融機関に預金をしたり対策を行なっている人が半数を占めています。

    しかし、十分に貯金を行なっていたとしても、状況によっては大きな資金が必要になることもあり、将来への不安は拭えません。そんな不安を解消することを目的として、資産形成の計画を行なって運用していくことが資産運用となるのです。資産運用は利益が出た際に、その利益をさらに投資に回すことができる複利効果があるのが特徴です。

    利息に利息がかかることで資産を効率良く増やすことが可能なのが資産運用の魅力の一つです。資産形成や運用と聞くと不動産や株式の高額な投資を結びついてしまうことも多いですが、投資はあくまでも資金を用意していく手段であります。その投資にも目的に合わせて様々な方法があり、中には少額から始められるものも少なくなく、将来への資金準備ができるのは高額な投資だけではないのです。

    将来家族を持った際に必要な資金を準備するのか、老後に必要な分を受け取れるようにするのか、それによって適切な方法を行なっていく必要があります。目的に合わせた様々な方法で資産運用していくことができるので、自分に合った方法を選択していくことが可能なのです。収入の少ない20代からでも始められる方法も多く、万が一の資金準備を行なっていくこともできます。

     

    20代から資産形成や資産運用を始めるメリットと確認事項

    定年後に資産形成の準備を行なっていくのはとても難しく、いざ資金が必要になった時に焦ることになってしまいます。そういった状況に陥らないためにも若い年齢の時から、資産形成の練習を行なっておくことが重要になってきます。20代という年齢は、明確な目的や資産運用をできるだけの収入がない場合が多く、貯蓄を行なうにも余裕がない状態がほとんどです。また、老後のことを考えるにも、年金受給の問題が将来どのようになっているか具体的に分からないことで、明確な対策を行なうことも難しいのが現状です。

    しかし、具体的なことが分からないこの年齢だからこそできる資産形成の在り方があります。明確な目標を決めて実行するのは、具体的な将来が見え始めた30代や40代から行なうと考えておくだけでも良いでしょう。20代では老後はあまりにも遠い未来で具体的なイメージもできません。そこで、まだ近い未来の30代付近であれば、少しはどのような資産形成を行なっていきたいのか考えることができるでしょう。何のために貯蓄を行なうのか、そのためにどのくらいの資産を持ち合わせておきたいのか、年齢が近い場合はイメージして考えることができるはずです。

    それに向けて資産運用の練習を行なえるのが、この年齢で始める大きなメリットとなります。近年では100円などの少額から行なえる投資信託などもあり、資産を増やすためのシミュレーションとして向いています。少額投資は資産運用を失敗しても、少額で運用していれば損失も大きくなく、損失分を取り戻すことも容易にできるのが特徴です。長い期間が必要な資産形成では時間はとても重要です。20代から資産形成を始めるのは資産運用に長い時間をかけることができる点でも大きなメリットとなるのです。

    20代で考えられる投資の形態

    まず具体的20代ではどのような投資を行っていけば良いのかについて見ていきます。一般的に考えて20代というのは学生であったり社会人になって10年も経っておらずそこまでお給料も上がっていないはずですの、収入はあまり多くはありません。また学生時代にかなり貯金をしていたという人や親からの支援があるという人は別ですが、資産もそう多くはないです。その中で資産をさらに増やすための投資に費やすお金を作りだすのは簡単なことではありません。

    昔は投資にはまとまった資産が必要であり、資産家のように十分なお金を所有している人がするものであるというイメージがありました。しかし非常に少額で始めることが出来るものや、スマートフォンアプリで簡単に始められるものが出てきたり政府による税の優遇制度が始まったことによってハードルは非常に低くなり誰でも簡単に投資を行うことが出来るようになりました。まだ多くの資産を所有していない若い世代の場合には、こういった少額でスタートすることが出来るものを利用することをおすすめします。それによって無理なく運用を行うことも出来ますし、リスクを減らしながら長い目で見た投資を行うことが出来ます。

    また投資信託のように運用自体をプロに任せるという方法や、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談をしてアドバイスをもらいながら行っていくのも非常におすすめです。投資信託であれば少額から始めることが出来ますし、実際の運用はプロが行ってくれますのでどの商品を購入するかさえ決めてしまえば後はお任せすることが出来ます。投資で利益を出していくためにはどうしても知識や経験が必要になります。投資を始めたばかりで知識や経験もない状態では、安定して利益を出していくことは出来ません。

    しかし初心者であっても始めることができ、実際の運用をスタートさせてから平行して知識を勉強していくことが出来るというのは大きなメリットです。そして不足している知識や経験を補うために専門家に相談してアドバイスをもらうというのは有効な方法です。中立的な立場でクライアントにとって本当に良いアドバイスをしてくれるファイナンシャルプランナーは相談相手としておすすめです。ただし投資信託も、ファイナンシャルプランナーへの相談も手数料や相談料がかかってしまうということは忘れないようしてください。しかしその費用を差し引いても自分一人で闇雲に行うよりは利益を出しやすいかもしれません。

    そして最新の方法としてロボアドバイザーを利用するというものもあります。若い世代は機械に強いですので、こういったものを利用するのも良いでしょう。利用者の方針に沿って、膨大なデータを分析した上で最適な商品を選択して運用してくれますので利益は出しやすいです。興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

    20代での投資で気をつけるべきポイント

    投資は誰でも気軽に始めることが出来るようにはなってきていますが、始めるにあたっては気を付けなければいけないポイントがありますのでしっかりと確認していきましょう。

    まずは自分の資金と相談をして無理のない範囲で行うということです。投資を始めたばかりの人にありがちなのが、のめり込んでしまってどんどん資金をつぎ込んでしまうということです。しかし自分の所有している資産を全て費やして投資行ったり、人から借りてまで行うというのは投資の正しい方法ではありません。

    自分の所有している資産の中で生活を送っていくのに必要なお金や使う目的や予定のはっきりと決まっているお金を引いた残りの余裕となるお金を投資資金として使用するのが正しい方法です。それによって気持ちにも余裕が生まれますし、万が一損をしたとしても大きなダメージを負うことはありません。

    自分の所有している資産を分類して余裕となる部分のお金はどれくらいあるのかをきちんと把握した上で、その中で上手く投資をしていくことが出来るようにコントロールしていく必要があります。

    また当たり前のように言われていることではありますが、分散投資をするようにしましょう。投資にはある程度のリスクはつきものではありますが、一つの商品にのみ資金をつぎ込むとそのリスクはさらに大きくなってしまいます。投資先を分散していくつかに分けることによって、その中の1つで損をしてしまったとしても他のもので利益をだしてカバーが出来るような仕組みを自分で作っていくことが出来ます。

    そして大きな儲け話に影響を受けすぎないということも非常に重要です。投資を始めたばかりのころというのは色々な情報を調べるかと思います。その中で大きく儲けた話などを聞くと、自分も同じような方法をすれば同じように利益を出すことが出来るのではないかと安易に考えてしまいがちです。そもそもその話が確かなのであるかも疑わしく、詐欺まがいの金融商品に導くためのものである場合もあります。またもしその話が本当のことであったとしても、同じようにすれば成功するとは考えない方が良いです。

    当然ですがマーケットは日々動き続けていますので、その時良かったものが今良いとは限りませんし、同じような値動きをするかもわかりません。それにも関わらず真似をして大きな利益を狙って多くのお金をつぎ込んでしまうようなことは、絶対にやめましょう。投資になれていないうちは利益はそこまででなかったとしても、あまり大きなリスクを負わずに、少しずつでも確実に利益を出していく方が安全です。

    20代におすすめの資産形成方法:投資信託

    では具体的に20代におすすめの資産形成方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
    まずおすすめしたいのは投資信託です。投資信託とは、投資家から集めた資金を運用の専門家であるファンドマネージャーが様々な金融商品を組み合わせて投資、運用を行っていくものです。本来投資をするときには、どんな金融商品を購入するのかや購入するタイミングや量などを自分で判断して行わなければいけません。そのためにはしっかりとした知識を付けておくことが必要となりますし、常にマーケットの動きを見ておかなければいけませんのでとても手間や時間がかかるものです。

    しかしそれらを全てファンドマネージャーに任せることが出来ます。そして実際の運用も任せることが出来ますので、同じように手間を省くことが出来ますし利益も出しやすくなります。投資の知識や経験が無くても、安心して始めることが出来ますので、おすすめの方法なのです。

    そして少ない金額でも始めることが出来るというのは、若い世代にとって大きなメリットとなります。資産のあまりない状態で投資に回すお金を作りだすのはとても大変です。用意出来る資金が少なければ、購入できる金融商品も限られてしまいます。しかし投資信託であれば沢山の投資家からお金をファンドに集めてそれを運用していきますので、一人当たりの投資金額は少なかったとしても問題はないのです。

    また個人では投資信託は国内や海外の株式、不動産や債券など非常に多くのものを組み合わせています。その中には高い専門知識を必要とするものや、個人では購入することが出来ないようなものも含まれています。そういったものも利用することが出来るというのは非常に魅力的です。金融商品には最低投資金額というものがありますので、少ない資金では購入できないものもありますがそういったものにも投資信託を利用すれば投資していくことが出来ます。

    20代におすすめの資産形成方法:債券

    次におすすめなのは国債です。国債とは国が発行する債券つまりお金を借りるときに作る借用書のことです。国債を利用した投資というの国にお金を貸し、そのお金を国は満期まで様々なことに使い、満期になったらすべて返却してくれるというものです。貸している間には利息が発生しますので、それを利益として資産を増やしていくという方法です。そこまで高い利率ではありませんので、大きく資産を増やすことは出来ませんが、元本が保証されていますので非常にリスクが少ないというのがメリットです。国が破綻してしまうとうのは基本的には考えにくいので、企業にお金貸す社債よりもはるかに安全性が高いと言えます。
    リスクが高くなく、元本保証のものであることから若い世代でも安心して行うことが出来る資産形成方法です。

    20代におすすめの資産形成方法:iDeCo

    iDeCoと呼ばれる個人型確定拠出年金も、将来のための資産を作っておきたいという20代の方には非常におすすめの方法です。iDeCoは簡単に言ってしまうと、自分で作っていく年金です。定年を迎える60歳までの間に毎月一定の金額を拠出して、その掛け金で投資信託や定期預金、保険などの金融商品を自分で選んで運用し、60歳以降にそれまで運用して作ってきた資産を受け取るという制度です。

    もちろん国民年金や厚生年金などの公的な年金ももらうことはできるはずですが、その制度も確実なものではありませんし老後にゆとりのある生活を送っていくためには十分ではありません。年金だけでは足りない分は自分で用意していくしかありませんので、そのための方法としてiDeCoは非常に有効な方法なのです。

    最も大きなメリットは、税金の優遇制度を受けることが出来るということです。iDeCoでは積み立てた掛け金が全て所得から控除され、所得税や住民税が減額されます。年末調整や確定申告を行うと、その年の所得や支払った掛け金に応じて余分に収めた税金が返ってくるのです。運用の利益とは別に節税も出来ますのでとてもお得です。

    そして本来資産運用で得られた利益には税金がかかるものですが、iDeCoでは運用して出すことができた利益には税金が一切かかりません。利益をそのまま自分のお金とすることが出来るのです。

    資金は60歳までは原則引き出すことはできませんし、運用した資産が60歳の時にどうなっているのかはその時になってみないとわかりません。元本保証のものではありませんので、運用成績によっては元本を下回ってしまうこともあります。しかし利用する上でのメリットは非常に大きいものですし、少額からでも始めることが出来るものですので利用をおすすめします。

    20代におすすめの資産形成方法:つみたてNISA

    そして2018年から始まった新しい少額投資非課税制度であるつみたてNISAも検討してみてはいかがでしょうか?つみたてNISAとは若い世代のために作られた制度と言っても過言ではなく、投資の配当金や売却して出た利益が一定金額まで非課税となるものです。これまでもNISAやジュニアNISAなど、似ている制度はありました。NISAは非課税枠が年間120万円、子供の資産形成を目的としたジュニアNISAは年間80万円でどちらも運用期間は5年と非常に短いものでした。そのため若い人にはあまり利用されてこなかったために、運用期間を20年と大幅に長く設定したつみたてNISAが作られたのです。非課税枠は年間40万円ですのでそう多くはありませんが、運用期間が長い分長期的な運用に向いているものとなりました。

    つみたてNISAでは少ない金額から投資できる投資信託を主に運用していきます。また投資することが出来る商品は厳選されたもののみになっていますし、手数料が低いものが選ばれています。投資の経験が少ない人でも安心して投資を始められるような様々な工夫がなされているものですので非常に利用しやすい制度なのです。

    ちなみに仮想通貨は資産形成に向いている?

    近年ニュースなどでも良く耳にするようになった仮想通貨でも資産形成をしていくことは出来るのではないか?と考える方もいるかもしれません。しかし、資産を作っていくための運用方法としては良い方法とはいえません。

    仮想通貨は非常に値動きが激しく、その値動きを利用して利益を出していきます。大きく利益を出すことが出来る可能性もありますが、その分大きな損失を出してしまう危険性も大いにあります。仮想通貨を利用した投資には送金が早い、通貨の違いが無いなど様々なメリットはありますが、ギャンブルのようなものであるということを忘れてはいけません。将来い向けての資産形成をしていくためには安定して資金を増やしていくことが必要ですが、仮想通貨のような価値の変動の激しいものではそれは期待できません。楽しむものとして利用する分には問題はありませんが資産形成の方法としては向いているとは言えないでしょう。

    まとめ

    20代から老後のことを考えるのは遠い未来なので簡単なことではありません。具体的なビジョンが見つからなければ計画を立てることもできませんが、若い年齢から資産形成について学んで経験しておくことは、将来必ず資金が必要になる場面で役に立ちます。20代の収入が少なく、初心者の内は投資信託や株式のように少額のものから始めるのが適切と言えるでしょう。しかし、少額から始められるものでも株式は知識がないと利益を安定させることが難しいので注意しましょう。投資商品の種類の他にも、投資形態についてもしっかり把握しておきましょう。自分に合った手段で資産運用を行なっていくことで、いずれ訪れる老後を安心できる将来に導くことが可能となるのです。

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