iDeCo
iDeCoに関する質問
来年に定年退職を迎えます。
再雇用の打診は受けていますがまだ決めていません。
いずれにせよ、今後の人生のことは考えなければなりませんが、大きな懸案はお金のことです。
多少ですが貯えがあるし、退職金もあるのですが、今後は何があるか分かりません。
若干の心許なさがあるのは事実です。
そんな折、元同僚から「NISA」のことを聞きました。
資産運用とは無縁の生活を送ってきたので完全に素人ですが、利益分が非課税というのは魅力に映ります。
いろいろ自分でも調べているうちに、今度は「iDeCo」というものにたどり着きました。
要は年金らしいのですが、基礎知識がないからなのか歳だからなのか、「NISA」と「iDeCo」がごっちゃになって頭がこんがらがってきました。
ここで整理するためにも、お詳しい方の解説をお聞きしたいと思った次第です。
お聞きしたいのは、「NISA」と「iDeCo」の違いです。
どちらも興味を抱いたのは事実ですが、「年金」というキーワードにひっかかった「iDeCo」の方により強い関心があります。
セールスに押し切られるよりも、自分で判断して決めたいのです。
詳しい方に解説していただいた方が初心者には理解が早いと経験上分かっています。
どうぞよろしくお願いいたします。
「iDeCo」とは、個人型確定拠出年金のことです。
国民年金だけでは老後のお金が心配という方に、税制優遇(積立金額全額が所得控除対象)を受けながら将来的に自分で受け取る年金を積み立てていくという制度です。
国民年金との比較で言えば、国民年金は確定給付型年金と言って、将来受け取る給付額が確定していて、その額に合わせた掛け金を負担するというものです、他方、「iDeCo」は確定拠出型年金とは言って、拠出する額は確定しています。
しかし、将来受け取る額は定期預金・保険・投資信託といった金融商品の運用次第で額が変わります。
資産運用するのは自分ですので、自分でもらう年金を稼ぐのは自分ということになります。
「iDeCo」の運用期間は満60歳になるまでとされています。
そして、60歳になるまでは引き出すことはできません。
月々の積立額ですが、5000円からスタートすることができます。
ここからは1000円単位で増額していくことはできますが、職業によって上限額が決まっていることに注意しましょう。
例えば、公務員が月額12000円、自営業が6万8000円となっています。
「NISA」とは、収入が非課税になるひとつの制度だとお考え下さい。
現在の税制では株式や投資信託に投資したことによるは配当金・分配金、あるいは売却したことによって得た利益には、通常で20.315%の税金がかかります。
これが原則です。
原則あれば例外ありで、「NISA口座」という特殊な口座内で購入した株式や投資信託などの金融商品による利益に限り非課税にします、というのが「NISA」です。
注意が必要なのは、非課税は利益のみです。
拠出金は課税対象になります。
非課税期間は最長5年間、拠出金枠は年120万円、5年間で最大600万円と制限があり、長期間大金を運用することはできないということになります。
もっとも、5年の満了以後は、ロールオーバーと言って、一定の条件のもとにもう5年間だけ延長して最長10年にすることが可能です。
同時に、ロールオーバーを選ばずに特定預かり・一般預かり(共に課税対象)に移管することもできます。
また、「NISA」には他に「つみたてNISA」と「ジュニアNISA」というバリエーションもあります。
相談者様は投資初心者ということなので、長期(最長20年)の分散投資(年40万円)で一定基準(金融庁が定めた基準)金融商品で投資ができる「つみたてNISA」の方が向いている可能性があります。