投資信託
2019.02.26
2022.12.02
1980年代に始まったバブル期では、銀行の普通預金の金利がおよそ2%でしたが、現在では高いものでも0.11%しかありません。
例えば100万円を銀行に預けた場合、バブル期では1年間で2万円もの利息が付いたのに対し、現在ではたったの110円です。
超低金利の現代、預金だけでは資産を大きく増やすことは不可能だと言わざるを得ません。
そこでおすすめしたいのが投資信託です。
投資商品である以上元本割れのリスクはありますが、最近ではわずか100円から始められる商品も登場していますので、投資の勉強を始めたいという方にもピッタリだと言えます。
そして、投資信託をする際に最も気になるのが利回りです。
利回りについてきちんと理解しておくことで、よりお得な商品を選ぶ目を養うことができます。
また、利回りと利率の違いについても見ていくことにしましょう。
利回りとは、1年間の収益を指します。
平たく言えば、「いくら投資して1年間でいくら儲かったのか」ということです。
この「もうけ」には元金の利息、分配金、売却益が含まれます。
購入した投資信託が運用益を生むと投資家に分配金が配当されますが、分配金の配当は決算期によって違い、毎月、四半期、1年ごとなどのパターンがあります。
利回りの計算方法は1年に一度の場合は、収益÷投資金額×100で計算することができます。
例えば基準額10万円の投資商品を買い、分配金を5000円、売却益を5000円、利息を1000円得たとすると(5000+5000+1000)÷100000×100=11ですので、利回りは11%ということになります。
また、毎月分配金が1000円支払われたとすると、利回りは1年間の収益を計算すればよいので、1か月の分配金を12倍して1年間の分配金に直して計算します。
つまり、(1000×12+5000+1000)÷投資金額×100となり、この場合の利回りは18%となります。
以上の計算式には手数料や税金などの費用は含んでいません。
これらの費用を含まない利回りを「表面利回り」と言います。
一方、必要な経費を差し引いた利回りは「実質利回り」と言います。
いずれにしろ、投資信託には2ケタの利回りの物が多く、かなり魅力的です。
「それなら利回りが高い商品を選べば儲かるんだな」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
それは、「タコ足配当」が存在するためです。
タコ足配当とは、タコが自分の足を食べるように、運用に失敗してしまった場合、投資家から集めた資金を取り崩して分配金を支払うことです。
資金が取り崩されるということは、ご自分の元金が減っているということです。
分配金が支払われているからと言って、安心はできません。
投資商品を選ぶ場合は、利回りだけでなく基準価格の推移にも目を向けることが大切です。
利回りと利率は一見同じもののように見えますが、大きな違いがあります。
利回りは先ほどご説明した通り「1年間にいくら投資して、いくら儲かったのか」です。
利回りは1年間で得た分配金や売却益などを合計した総収益を基に計算されます。
利回りは計算式さえ覚えていれば保有中でも計算することは可能ですが、実際に売却してみないと本当の利回りは確定しません。
また、投資信託の中には運用益を元本に組み込んでさらなる運用益を生み出すために、分配金がない商品(無分配型)もあります。
分配金がもらえないのは何だか損をしているような気になりますが、実は利益を元本に組み込む複利が適用されるため、長い目で見るとお得になります。
複利は利息が利息を生んでくれるため、単利よりも利息が多くなります。
また、売却するまで税金がかからないというメリットもあります。
毎月、あるいは四半期や半年ごとに分配金が出るタイプ(分配型)は単利ですし、分配金が支払われるたびに、税金が源泉徴収されます。
また、毎月配当タイプの中には、タコ足配当の商品も相当数含まれていると言われていますので、分配金や利回りの高さだけで選ばないように気をつけたいものです。
一方利率は、1年間の元金に対する利息のことです。
利息は、銀行の預金でおなじみの言葉ですね。
利率と似た言葉として利子もありますが、利率と利息と利子はほぼ同じです。
利率の計算においては、分配金や売却益など、利息以外の収益は考慮しません。
例えば10万円の元金に対して1000円の利息を受け取った場合は、1000÷100000×100=1で利率は1%となります。
利率は金利水準や発行元の信用力を元に計算されます。
利回りは運用成績によって変動しますが、利息はほぼ確定した金額が支払われます。
これから資産形成を始めようと思っている方に投資信託をおすすめする理由は、主に4つあります。
まず1つ目は少額から投資ができることです。
株式や債券などはある程度まとまった費用が必要になることが多いですが、投資信託だと数百円から数千円と、少額から気軽に始めることができます。
少額から始められるのは、複数の投資家からお金を集めて運用する投資信託ならではのメリットです。
例えば100万円の商品を買いたいけれど、お金が足りなかったとします。
しかし、100人の人が1万円ずつ出し合って買うとすれば、1人で購入するときと比べて費用は1/100で済みます。
これが投資信託が少額から始めることができる仕組みです。
2つ目の理由は、分散投資ができることです。
株や債券など複数の商品に投資することで、元本割れのリスクを回避することが可能になります。
3つ目は、金融に精通したプロが運用してくれるという点です。
ファンドマネージャーの腕次第では大きな収益を期待できます。
運用成績は、定期的に発行されるレポートでいつでも確認することができます。
投資初心者の方にとっては、こちらも大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
また投資信託は、一人では買えない海外の株式や債券などにも投資できます。
4つ目は透明性が高いことです。
取引価格が毎日公表され、監査法人による監査も徹底していますので、安心です。
このようにメリットがたくさんありますが、一方デメリットもあります。
まず1つ目は元本保証ではないことです。
しかし「最初は少額から始めて、少しずつ投資額を増やしていく」と決めておけばたとえ元本割れしてもダメージを抑えることができます。
2つ目は販売手数料、信託報酬、信託財産留保額などの費用がかかることです。
これらの費用は、金融機関によって違いますので、比較検討して安いところを選ぶようにしてください。
投資信託は投資期間や投資対象などによって多くの種類があります。
最初はどれを選べば良いのか迷ってしまいますが、手数料などが安いところを選んでみてはいかがでしょうか。
そして、手持ち資金を1度につぎ込むのではなく、複数回に分けて投資するのも賢いやり方です。
毎月一定額を積み立てで投資していくタイプの商品を扱っている証券会社もありますので、そちらを利用されても良いでしょう。
こちらのタイプは毎月500円程度から始めることができますので、気軽にスタートできそうですね。
そして、疑問が生じた場合は、ご自身で判断せずに専門家の意見を聞くことも大切です。
その場合は、投資信託をしている金融機関ではなく、第三者の専門家に尋ねるほうが中立的な立場でアドバイスしてくれるでしょう。