投資信託の基準価格って何?

投資信託

  • 2019.01.25

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    投資信託の取引においてよく使われる言葉に「基準価格」あるいは「基準価額」というものがあります。
    投資の初心者であっても、これが投資信託を売買する際の価格であることは理解できると思います。

    しかしこの基準価格は、誰がどのような基準で額を決め、どのように変動していくかをきちんと把握していないと、適切な投資信託への投資を行うことはできません。

    また「基準価格」と「基準価額」にどのような違いがあるのかも、知識のない方には分かりにくいと思われます。
    ここでは、投資信託の基準価格(基準価額)について、その内容や割り出される基準、どのように更新されるかなど、初心者が抱きがちな疑問について、詳しく解説していきます。

    基準価格とは

    投資信託における「基準価格(基準価額)」とは、投資信託を購入する際の現時点での価格、つまり時価のことです。
    投資信託には取引を行う際の最小単位があり、それを「口(くち)」と呼びます。
    その投資信託が持つ株式や債券などの時価評価額に、利息や配当金などを加えた価格から、信託報酬などの手数料を引いた額で、その投資信託を所有する投資家の資産となる額のことを「純資産総額」といいます。

    純資産総額はいわば、その投資信託の規模の大きさを示すものですが、その額を売買単位となる総口数で割ったものが「基準価格(基準価額)」になります。
    例えば投資信託が持つ全資産の時価評価額が100万円、利息や配当金などの合計が11000円、信託報酬が1000円だった場合、その投資信託の純資産総額は101万円になります。

    そしてこの投資信託が1万口の総口数で売り出された場合、1口分の基準価格は101円になります。
    証券会社などで投資信託を購入する際に提示される基準価格は、ほとんどの会社で1口単位、または1万口単位で記載されます。
    投資信託における基準価格は、株式における株価だと考えれば分かりやすくなります。
    投資信託を購入する際には、基準価格×口数の額で投資商品を選んで購入することになりますが、基準価格は、現時点における1口あたりの純資産総額にすぎません。

    つまりその時点での基準価格を見ただけでは、その価格が割高であるか割安であるかは判断できません。
    したがって購入する投資信託を選ぶ際には、その時点での基準価格だけで判断するのではなく、それ以前の長期に渡る基準価格の流れを確認して、これまでどのように変化してきたか、これから基準価格が上昇する可能性が高いか、という点を注目して選ぶのがいいでしょう。

    基準価格と基準価額は違うの?

    投資信託を購入する際の一口あたりの価格を示す「基準価格」ですが、この基準価格とよく似たものに、投資信託の「基準価額」という表記もときに見られます。
    実は投資信託の正式な用語としては「基準価額」が正しいものですが、基本的に「基準価格」と表記されている場合も、実質的に基準価額と同じものと考えて問題はありません。

    なぜ投資信託では「基準価格」ではなく「基準価額」という見慣れない言葉が正式な用語になるのかというと、この「基準価額」が示すものは「価格」(price)ではなく「価値」(Value)だからです。
    前述の通り投資信託の基準価額(基準価格)は、その投資信託の時価評価額と利息や配当の合計から、運用コストを引いた「純資産総額」を、投資信託の口数で割った額です。

    つまり投資信託の基準価額とは、一般的な商品のように需要と供給のバランスによる市場原理で決まる「価格」(Price)ではないのです。
    その投資信託の客観的な評価額、すなわち「価値」(Value)を表していることから、正式には「基準価額」と表記されるのです。
    実際に「基準価額」の英語表記は「Net Asset Value」になります。

    基準価額とは、商品につけられた小売価格ではなく、不動産の固定資産税評価額などに近いものだと考えればいいでしょう。
    そのため投資信託に関する法令、また自主規制機関である投資信託協会などでは、正式な「基準価額」という表現を用います。
    「基準価格」という表記がなされるのは、表記ミスか、各運用会社などがあえて一般向けに分かりやすく表記したと考えられます。

    「基準価格」と「基準価額」どちらの表記も区別する必要はなく、どちらも同じものだと考えて差し支えありません。
    なおこの基準価額(基準価格)は、各運用会社によって毎営業日ごとに一日一回、あらためて算出されます。

    基準価格は変動する?

    投資信託の基準価格は、常に変動します。
    その投資信託に含まれる株式や債券などの時価評価額を中心にして、その利息や配当収入も変動します。
    その変化を各運用会社が評価し、それぞれの運用会社の営業日ごとに、一日一回、あらためて純資産総額から基準価格を算出し、更新します。

    この変動で基準価格が高くなれば、その値上がり分だけ投資商品に投資した方が利益を得ることになります。
    ただ基準価格が更新される時間は、その投資信託が含む投資対象が国内のものか、海外のものか、また各金融機関ごとにも異なってきます。

    日本国内の株式や債券などを運用する投資信託であれば、基準価格は市場の取引が終了する時刻である午後3時以降に算出が行われますが、海外の株式や債券などを運用している場合は、時差の問題により、対象国の市場取引が終了する時間以降に算出されるため、注意が必要です。

    また各金融機関、運用会社によっても更新時間は異なりますが、基本的に取引終了後の夕方、19時から21時前後に更新されることが多くなります。
    また会社によっては速報値として、およそ17時前後という早い時間に基準価格を出すサービスや、確定した基準価格は翌日の朝に出すというサービスもあります。

    基準価格は、その投資信託の株式、債券と関係する国内、海外の経済状況や企業の業績などにより変動します。
    投資信託にある企業の株が多く含まれる場合、国の政策がその企業の収益向上につながる場合であれば基準価格の上昇に、その企業が主に輸出事業で収益を出しているのであれば、円高が進むことで業績が悪化し、基準価格の下落につながります。

    投資信託に組み入れられた銘柄の中で、保有の割合が多い株式や債券の価格が変動することにより、基準価格にも強い影響が出るため、投資信託を行う方は、常に関係する経済や企業関係の情報を確認しておくべきでしょう。

    まとめ

    投資信託の基準価格(基準価額)とは、この投資信託を購入する際の価格の基準でもあり、またその投資商品のこれまでの価格変動の流れを読み、この先、有効な投資対象になるかを占う、重要な判断基準でもあります。

    投資信託を理解するためには、まず基本として、この基準価格がどうやって算出されるのか、時価評価額、利益や配当収入、運用コスト、総口数などから割り出される仕組みをきちんと把握しておく必要があります。

    また確実に利益を出す投資信託運用のためには、毎日の基準価格の変動をチェックしておくことも必須になるため、投資信託の種類や運用会社によって異なる、基準価格の更新の時間を把握しておくことも重要です。

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