NISA
NISAに関する質問
NISA口座で投資している分に関して、5年間の非課税期間終了後にロールオーバーをするべきなのかどうか、アドバイスをいただければと思います。売却、移管については、そのメリット・デメリットなど十分理解しているつもりです。しかし、ロールオーバーに関してはいまいち理解不足な点があると自覚しております。ロールオーバーをするべきなのは、具体的にどういったケースになるのでしょうか。現状としては、基本的に長期運用していくことを考えています。だとすれば、やはりロールオーバーをするのが得策だと言えるのでしょうか。
たとえばもし、手続きをする時点で含み損が出ている場合にはどうでしょう。ロールオーバーをしても意味がない、もしくはしない方が良いのでしょうか。逆に、利益が出ている場合にはロールオーバーをすべきですか?2018年にロールオーバーの上限が廃止されているかと思うのですが、その点を配慮すれば、ロールオーバーする方がメリットは大きいと考えられるのでしょうか。ロールオーバーをするかどうかの判断基準、そして特にメリット・デメリットについて、分かりやすく解説していただけますとありがたいです。
ロールオーバーをする際に考えられるデメリットおよび注意点を3つ取り上げておきます。まず知っておいていただきたい重要なことは、2019年以降にNISA口座を使用して投資を行う場合には、ロールオーバーができない点です。NISAの利用可能期間は2023年までなので、2019年の5年後となると、その期間を過ぎてしまうためです。ロールオーバーによるメリットは得られないということを理解したうえで、利用開始する必要があります。そして2つ目の注意点は、ロールオーバーする際に、5年間同じ金融機関のNISA口座を使用していることが必須条件となることです。 5年間の非課税期間のうちに、1回でも金融機関の変更をしてしまった場合には、ロールオーバーはできませんのでご注意ください。最後にもう1つ、ロールオーバーの手続きについてです。多くの場合、5年間の非課税期間終了が近づくと、金融機関から通知が届きます。しかし金融機関によっては、その通知が来ないこともあり得ます。そのため、非課税期間終了時期、手続きの方法や期限などは自身できちんと把握しておきましょう。不安な場合には、早めに金融機関へ問い合わせすることをおすすめします。
メリットを端的に言うと、非課税のままで運用可能な投資額が増える点です。得た利益をそのまま運用へ回し、さらにその投資によって生まれた利益をまた運用に回すことができます。NISAの制度が終了する2023年まで、非課税のまま投資し続けることができるのです。それはつまり、長期的な運用をお考えの方にとっては大きなメリットだと言えます。5年間の非課税期間終了後もこのまま運用を継続していく場合には、ロールオーバーが一般的な選択となるでしょう。そして質問にあった通り、2018年に120万円までという上限額が撤廃されていますので、出た利益の金額にかかわらずそのまま非課税で運用し続けられるのはやはり大きなメリットと言えるでしょう。 また含み損が出ている場合にも実は、ロールオーバーは有効だと言えます。含み損がある状態で課税口座へ移管すると、大きなマイナスとなることがあるためです。NISA口座で150万円分投資して、75万円まで値が落ちた状態で移管するとします。後に150万円に戻った場合は、75万円分が課税対象となってしまうのです。本当は利益が出ていないにもかかわらず、移管後に利益が出たように見えるので、課税対象額が増えてトータルでマイナスとなるわけです。そのようなリスクを回避するのにロールオーバーが有効になることもあります。