フィンテック分野でここ数年、注目を集めるのが「POSファイナンス」と呼ばれる融資サービスだ。ここで言うPOSはポイント・オブ・セールの略で、消費者は商品の購入時点で融資を申し込み、その場で融資を受けて、分割払いや後払いで支払いをすることになる。
このスキームで事業を拡大したオーストラリアのフィンテック企業「Afterpay」の時価総額は、2018年当時の10億ドルから、現在は180億ドル(約1.9兆円)に伸びている。創業8年のサンフランシスコの決済系のスタートアップ「Affirm」も、IPOにより100億ドルの時価総額に達すると噂されている。
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そして新たにPOSファイナンス事業を強化するのが「ペイパル」だ。同社はPay in 4と呼ばれる新たな仕組みを導入し、30ドルから600ドルまでの商品を、最大6週間の4回の分割払いで購入させようとしている。
ペイパルのPay in 4の手数料は、他社とは異なっている。Afterpayで後払いを行う場合、決済金額に対し約5%の手数料が必要だが、ペイパルは手数料を徴収しない。しかし、支払いが遅れた場合は、手数料が必要になる。
Affirmの場合は、売り手の側からも手数料を徴収しており、買い手からは10%から30%の利子をとっている。
ペイパルは、これらの2社のサービスを組み合わせ、より安価な手数料のサービスを目指している。同社は利子や手数料を取らないが、支払いが遅れた場合、消費者は最大10ドルの違約金を支払うことになる。
ペイパルがコストを抑え、競争を有利に進められるのは、同社が既に膨大な顧客ベースを築いているからだ。米国でトップの小売業者の80%が、ペイパル決済に対応し、Eコマースを利用する消費者の70%がペイパルのアカウントを持っている。
ペイパルは小売店から1決済につき2.9%と、0.30ドルの手数料を徴収しているが、同社はパンデミック後に急激に売り上げを伸ばし、今年第2四半期の売上は53億ドルで、利益は15億ドルだった。
Afterpayとペイパルのデータで、POSファイナンスを利用する消費者はより多くの金額を支払う傾向があり、20%以上も購入額を伸ばす事例があるという。ペイパルは今年秋にPay in 4の導入を予定しており、今後もさらに売上を伸ばしそうだ。
オンラインショッピング向けのPOSファイナンスは、既に数百万人の米国人に利用されている。2018年に米国に進出したAfterpayは、米国で560万人の顧客を抱えている。Affirmの利用者も560万人とされている。
ペイパルは実のところ、10年以上前からPOSファイナンスを提供している。同社は2008年にBill Me Laterと呼ばれるスタートアップを買収し、2014年にPayPal Creditに名称を改めていた。PayPal Creditの金利は約25%で、顧客は分割払いで商品を購入できる。
ペイパルはPay in 4を新たに始動することで、融資事業をさらに強化しようとしている。
引用:Forbes JAPAN
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