2020年のトータルリターン上位ファンドには、社会を変える新技術を手掛ける米国企業に投資するファンドが並んだ。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く、通貨選択型も除く)を対象に、2020年1年間のトータルリターンを見たところ、トップは日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」(愛称:イノベーティブ・フューチャー)で、トータルリターンは125.85%となった。
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同ファンドは、日本を含む世界の上場企業の中から、既存の技術やノウハウの価値を破壊し、全く新しい商品やサービスを生み出す「破壊的イノベーション」を起こし得るビジネスを展開していると判断した企業の株式に投資する。銘柄選択に当たっては、米国のアーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシーから助言を受ける。2020年11月末時点の組入銘柄数は49と絞り込まれている。組入比率トップは9.2%組入れの電気自動車メーカー「テスラ」。同社の株価は、脱炭素社会に向けた電気自動車へのシフトが世界的に加速していることを背景に、2020年の1年間に8.4倍と急騰し、同ファンドの高リターンのけん引役となった。
トータルリターン第2位は112.59%となった三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Neo 自動運転」で、こちらも「テスラ」がけん引役となった。同ファンドは2019年5月に設定されたテーマ型インデックスファンド。「S&P Kensho Autonomous Vehicles Index(配当込み、円換算ベース)」をベンチマークとし、主に米国に上場している日本を含む世界の自動車関連企業の株式に投資する。2020年11月末時点の組入銘柄数は22で、組入比率トップは7.9%組入れの「テスラ」となっている。
トータルリターン第3位は、三菱UFJ国際投信の「米国IPOニューステージ・ファンド<為替ヘッジあり>(資産成長型)」で107.09%。同ファンドは、IPO(株式公開)から概ね5年以内の中型以上(時価総額30億ドル以上)の米国上場企業の株式に投資する。2020年11月末時点の組入銘柄数は61。組入比率トップはモバイル決済サービスの「スクエア」で組入比率は3.5%。同社の株価は、コロナ禍でのオンライン決済進展の流れもあり、2020年の1年間に3.5倍となった。
なお、上位10以内には、「グローバルAIファンド」シリーズ、「グローバル・フィンテック株式ファンド(為替ヘッジあり)」、「グローバル全生物ゲノム株式ファンド(1年決算型)」なども見られた。
一方、トータルリターン下位3ファンドには、「ダイワ 米国MLPファンド(毎月分配型)米ドルコース」(▲37.27%)、「シェール関連株オープン」(▲36.62%)、「米国エネルギー・ハイインカム・ファンド」(▲36.47%)と米国のエネルギー関連企業・事業に投資するファンドが並んだ。2020年のNY原油はコロナウイルス拡大による需要減少懸念などから下落し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1年間で20%以上の下落となった。
引用:morningstar
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