NISA(ニーサ)とは?制度の内容を解説!

NISA

2018.10.24

2022.12.02

  • NISAという制度

    CMやネットでもよく見るNISAって一体何?そう疑問に感じている人も少ないないでしょう。

    NISAは簡単にいうと、課税対象枠から外れた新しい資産運用制度を意味します。資産運用には通常、得た利益に対して課税が成されます。
    しかし、NISAであればそんな運用益への課税が一切行われないばかりか、その上年齢制限を満たしていれば、誰でも口座の開設が可能という画期的な投資システムなのです。

    とても魅力的な制度ですが、しかし一方で注意しておきたいデメリットも存在します。

    今回はNISAの制度が始まった理由や、その具体的な制度の内容、または取引出来る資産運用の種類、更にNISAの制度を受ける上でのメリットやデメリット面についてもご説明します。何か投資を始めたいと思っている人、建設的な資産運用を行いたいと思っている人は、是非ご一読ください。

    NISAって何?

    NISAとは、Nippon Individual Savings Accountの頭文字であり、元はイギリスのシステムをモデルとした、少額投資非課税制度を指します。

    運用開始は2014年から、終了は2023年の10年間。日本に住んでいる20歳以上であれば誰でも口座開設が出来る、国が設けた資産運用の為の特別システムです。制度の詳しい内容は後述しますが、簡単に言うと、少額の金額設定を非課税枠と設定し、その枠内で取引されて得た利益は一切課税対象としないまま、利益分をそのまま投資家に渡そうというシステムです。

    資産運用において常にネックとなるのが高い税金。その課税の心配を取り除き、資産運用へのリスクを極限に減らしたのがNISAなのです。
    では一体何故このような制度を設ける事となったのでしょうか。まず、2013年末まで実施されていた証券優遇制度が廃止されてしまう事が挙げられます。
    景気や株価対策の為に、投資においては課税10%が免除されるという証券優遇制度でしたが、これが2013年末で終了し、その後本則の課税20%へ移行してしまう為、その代替え措置としてNISAが導入されました。

    もう一つの理由が、長らく続いた不況によって生じてしまった投資への懸念を解消する為と言われています。
    長らく続いた不況が影響し、日本人の意識の中に、大幅な投資への恐れが根付きました。
    株や投資信託といった資産運用以外にも、保険や銀行への預貯金といった基本的な資産運用への意識も低下し、自分の手元で資産を眠らせたままにしている、いわゆるタンス預金が増大している事が国にとって大きな痛手でした。

    なんとか国民に銀行や企業に資産を預けて貰わなければ、経済が活性化されません。
    また、若年層の資産運用意識の低下も指摘されていた為、少額で安心して投資できる制度作りが必要となったのでした。
    こうした時代背景からNISAの制度が始まったのです。

    どのような制度でどんな取引が出来る?

    ではNISAは実際、どのようなシステムや仕組みで運用されている制度なのでしょうか。
    まずNISAのシステムを説明する前に、一般的な資産運用における税金の仕組みをご説明します。

    そもそも、株式や投資信託、金融商品取引などの資産運用には全て税金がかかります。得た利益の20%が課税対象、つまり100万円の利益があれば、20万円分が課税の対象となるのです。一方、NISAで取引をした資産には、出た利益に関わらず税金がかかりません。

    NISAでは一度口座を開き、運用を開始した5年間(最大10年間)であれば、どれだけ利益があったとしても、非課税のまま利益が得られるのです。
    少額投資ですので、年間120万円(5年間で非課税投資枠は最大600万円)の投資制限額が設けられていますが、どれだけ利益が出ても全て非課税運用が継続出来るというのは、資産運用において大きな強みと言えるでしょう。

    売却に関しても、いつでも好きなタイミングで売却や払出しが可能(ただし、一度売却した額分は、同年の非課税投資枠の再利用は不可能)です。
    一方、運用出来る資産には種類があり、全ての資産が非課税枠に入れるわけではありません。

    NISAで非課税対象となる投資種類は、国内または外国株、株式投資信託、国内または海外ETF、上場投資証券、国内または海外REIT、新株予約券付社債など。反対に非課税対象にならないのが、非上場株式、公社債投資信託やFX、金やプラチナなどの金融商品です。

    また、現在保有している投資資産を、開設したNISAの口座へ移行させることは不可能です。NISAで口座を開く際は、120万円以内で新しく独自に投資を開始しなければなりません。更に、NISAで取引している資産については、他の口座での損益通算は出来ず、また損失の繰越も不可能です。

    以上から考えると、NISAは少額の投資からゆっくり着実に利益を生み出したい、という人に向いている投資方法と言えるでしょう。

    非課税取引のメリット・デメリット

    NISAのシステムが何故始まったのかについてご紹介しましたが、具体的なそのメリットやデメリットはどこにあるのでしょうか。

    まずはメリット面からご説明していきます。その中でも最も大きいメリットが、NISAで運用中の資産は税金がかからない点です。
    通常の資産運用であれば、取引によって得られた分配金や配当金、譲渡益には、所得税や住民税といった20%程の税金が課せられます。

    たとえ大幅に利益が出たとしても、20%の課税は投資家にとって大きな重みとなっているのは間違いありません。

    しかしNISAで取引した資産は5年間(最長10年間)、課税の対象から外れます。
    利益がそのまま手に入るのは特に少額の資産運用であればある程嬉しいものです。

    また、投資可能な金額に上限が設けられている為、今まで資産運用した事がないという初心者や若者にも馴染みやすく、気軽に開始出来るという利点もあります。日本に住んでいる20歳以上であれば誰でも口座開設が可能ですので、投資可能の基準が低いというのも有難い点でしょう。

    一方で、注意すべきデメリットも潜んでいます。まずは、毎年の投資上限が120万円に設定されている事。
    少額投資はメリットとも言えますが、反対にもっと多くの投資を行いたい人にとっては難点でしょう。

    また、銀行口座の変更をする際など、各種の事務手続きが非常に煩雑であるというのもデメリットです。
    口座開設にもマイナンバーの提出が義務付けられていますが、マイナンバーの提出に抵抗のある人も多くいます。
    通常の資産運用ならば可能である、他の資産運用との損益の打ち消しや、損失の翌年への繰越控除が出来ない事も大きなデメリットでしょう。

    メリット面ばかりではなく、デメリットも存在する事を踏まえた上で、資産運用をするかどうかを決めましょう。
    NISAは元々、各家庭に眠っているタンス預金を引き出し、経済の活性化に繋げようという目的の為に成り立っている制度です。

    また、今以上に資産運用の必要性が迫っている若者に向けた制度とも言えます。
    確かにNISAは、非課税対象枠の設置という画期的なシステムを実現させ、少額投資という事で安心して投資が行える為、これまで興味が無かった人や若者でも投資しやすいという環境作りに成功していると言えます。

    ただし一方で5年の非課税対象期間が終わった後の対処や、他に資産運用している場合は損益の相殺が不可能。
    これらの短所も事前に考えておかなければ、後々後悔する事態になりかねません。
    メリット、デメリットを双方検証した上で、自分にとって必要な運用であるのかを審査し、適切な資産運用を行えればいいですね。

NISAの一覧へ戻る

NISAおすすめコラム

よく読まれている資産形成コラム