NISAの口座はどこで開設するのがおすすめ?

NISA

2019.01.25

2022.12.02


  • 近年、話題のNISAとは、正式には小額投資非課税制度といい、2014年1月より実施された、個人投資家に向けた税制優遇制度です。
    個人が株式や投資信託などに投資をして、売却益や配当金を得た場合、通常は利益に対して約20%の税金がかかります。
    しかしNISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、その金額内であれば、株式や投資信託の配当や売却などで得た利益が非課税対象で、税金がかからなくなります。

    このNISAを始めるには、まずNISA専用の口座を開設する必要があります。
    基本的に開設できるNISA口座は一人一口座のみで、銀行などの金融機関か証券会社をひとつ選んで開設することになります。
    ここでは銀行、証券会社、それぞれでNISA口座を開設するメリットとデメリットを紹介し、NISA口座の開設におすすめの機関を考えていきます。

    銀行で開設

    NISA口座は、都市銀行、地方銀行、ネット銀行問わず、銀行でも開設できます。
    しかし自身が普段使っている銀行でも、NISAを始める場合、普通預金口座とは別にNISA専用の口座を開設しなくてはなりません。
    各種銀行でNISA口座を開設するメリットは、普通預金口座を持っている銀行であれば、給与などの収入から投資資金としてNISA口座に移動する際に手間がかからず、また手数料もほとんど必要ないため、資金移動の利便性が高いという点が上げられます。

    デメリットは、証券会社に比べると、取り扱う投資商品が少なくなるという点です。
    基本的に銀行におけるNISA口座では、投資信託は扱っていても、株は取り扱っていません。
    また銀行によっては取り扱う投資信託の種類や本数が少ない場合もあります。

    銀行でNISA口座を開く場合は、まずその銀行で、投資したいと思える投資信託を取り扱っているかを確認しておかなければなりません。その上で、取り扱う投資信託がいいものだと思えるか、銀行を利用する利便性との兼ね合いなどを考慮することが必要です。
    また都市銀行、地方銀行、ネット銀行でのNISA口座の傾向としては、基本的に取り扱う金融商品の幅広さでは、どこもそれほど違いはありません。

    ただNISA口座を別機関に移したい場合、地方銀行ではやや手間がかかるケースがあります。
    また都市銀行、地方銀行ともに、NISA口座を開設すれば、投資のプロである専門の担当者からNISAについて、基礎知識からそれぞれの銀行における取扱商品など、詳しい説明やアドバイスを受けられます。
    一方、ネット銀行では一般銀行に比べて手数料などがかからないメリットがある反面、ネットを通じて投資を行うため、専門の担当者からの説明やアドバイスを聞けないというデメリットもあります。
    自分にとってのメリットとデメリットを考慮した上で、口座を開設する銀行を決めることをおすすめします。

    証券会社で開設

    証券会社でNISA口座を開設するメリットは、やはり銀行に比べて取り扱う金融商品が格段に多いことです。
    証券会社でのNISA口座では、投資信託だけでなく株も取り扱うため、投資信託と国内株、海外株などを、ローリスク・ローリターン型、ハイリスク・ハイリターン型などに分けて、複数の銘柄にバランスよく投資することで、確実性の高い投資が可能になります。

    また証券会社にはより専門性の高い担当者がいて、NISA投資に関するさまざまな相談に乗ってくれることも多くなります。
    デメリットとしては、金融商品の購入や売却は証券会社が代行して行うため、購入や売却、また資金の移動などにも一回ごとに手数料がかかることです。
    ただ近年では、NISA口座を開設できる証券会社も多くなったため、会社によって、手数料を安く抑える、また特定の銘柄の売買には手数料が無料になる、といったサービスを導入しているところも出てきています。

    基本的に、頻繁に資金移動を行わないのであれば、NISA口座は金融商品やサービスが豊富な証券会社で開設することをおすすめします。
    また近年ではネット証券会社によるNISA口座の開設も可能です。
    ネット証券会社で投資をするメリットには、通常の証券会社に比べて、各種手数料が全体的に低いという点があります。
    デメリットはネット銀行の場合と同じく、専門家のアドバイスを受けることができず、すべてを自分ひとりの責任で行わなければならない点です。

    特に証券会社でのNISA投資では取り扱い商品が多い分だけ、理解しなければならない知識も多岐にわたります。
    ある程度、投資経験のある人ならともかく、初心者がいきなりネット証券会社で投資をするのはハードルが高いといえます。
    初心者はまず通常の証券会社でNISA口座を開設し、投資の知識が身についたところで、ネット証券会社に口座を移すのが良いかもしれません。

    口座の乗り換えには注意が必要

    NISA、少額投資非課税制度が2014年にスタートした当初は、一度開設したNISA口座は、5年間は変更することはできませんでした。
    しかし2015年には制度が見直され、所定の手続きを行えば、年間一回のみ、現在の口座から他の証券会社や銀行に口座を変更できるようになりました。
    口座を変更するメリットには、現在の口座より各種手数料が低く、取り扱う商品が多い証券会社などへ変更する場合が考えられます。

    例えば一般の証券会社に開設した口座を、ネット証券会社に移行すると、手数料が安くなる、取り扱い商品が増える他、ネットから各種の取引や手続きができるようになります。
    ただ、NISA口座を変更するときには注意点がいくつかあります。
    まずNISA口座の変更手続きは、毎年9月の末までという期限があります。
    手続きが10月以降になると、その年の内の変更はできず、翌年からの口座変更となります。
    また、現在のNISA口座で保有する金融商品を、新たに開設したNISA口座に移すことはできません。

    ただ、変更前の口座で購入した金融商品は、そのまま同じ口座で所有することができ、購入した年から5年間は非課税で運用することができます。
    またNISAにはロールオーバーという制度があります。
    これはNISA口座で5年間の非課税期間が過ぎた後も、所定の手続きをとることで引き続きNISA口座の商品を非課税口座へと移管し、さらに5年間の非課税運用ができる制度です。

    しかしNISAの運用期間中に別の証券会社へ口座を変更すると、このロールオーバーが利用できなくなります。
    ロールオーバーを利用するためには、NISAを始めてから5年間の非課税期間が過ぎる目前に、改めて元の証券会社にNISA口座を移す必要があります。
    NISA口座の変更は、このような様々な条件を踏まえ、長期的なメリットを考えることが必要です。
    目先の手数料や利便性だけで口座を変更することはおすすめできません。

    まとめ

    NISA口座は基本的に、一人につき一口座しか開設できないため、銀行にしろ証券会社にしろ、まずは自分にあったサービスを用意した会社を選ぶのが肝要になります。
    基本的には取り扱う金融商品の種類や本数が多い証券会社で口座を開設することがおすすめです。
    またNISA投資を始めるときは、身近で使いやすい銀行や証券会社で口座を開き、投資のノウハウを把握するにつれて、利便性の高いネット証券会社に切り替えるという方法もあります。

    しかしNISA口座の変更に当たってはさまざまな制約も伴うため、場当たり的に安易な口座変更は禁物です。
    NISAを開始する時点で基本的な知識を集め、将来、口座を変更することも視野に入れた上で、口座選びや投資計画を立てるのがいいでしょう。

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