NISA
2019.04.25
2022.12.02
定年の年齢と年金が貰える年齢には差があり、その差は将来さらに開いてくるとあって、多くの人々は不安な気持ちを抱いて生活しています。国の支援が十分受けられない状態のため、株式や投資信託で資産を増やそうと考えている方も多くなってきました。それに呼応するように投資形態もその在り方を時代に合わせて徐々に変わってきています。
その中で比較的新しく登場した投資制度が「NISA」という少額投資非課税制度であります。多くの人々の資産形成を手助けできるとあって、この制度は加入者も年々多くなっています。この制度の詳細と利用する際の流れ、また何故近年に新しく導入されたのかなどをご紹介していきます。
NISAとは「少額投資非課税制度」であり、2014年1月に新しく開始された個人投資家のための税制優遇制度です。株式や投資信託で得られた利益は、所得と合わせて計算され、それによって課税されることが通常です。しかし新しく始まったNISAによる制度では、投資することで最大で5年間、税を軽減することができるようになります。
投資家でなければ関係ない制度と思う方も多いと思いますが、近年では投資を将来の資産形成に活用する傾向も増えているため、NISAも注目を集めている投資システムの一つとなっています。日本の年金制度には大きな落とし穴が多く、完全に将来を保証してくれるものではありません。定年の年齢と年金が受け取れる年齢に差があり、その差も徐々に開いて、最終的には今年金を払っている世代は貰えなくなると懸念されている状態です。
そんな状態の中、老後の生活費を安定させるためには、年金や貯蓄以外の方法も見つける必要があります。老後へ向けて資産を増やすには、投資が最適であり、銀行や証券会社が行なっている制度を利用することで、所得に対して課せられる税金を軽減することができるようになります。利益をそのまま受け取ることが可能になったり、資産を効率良く増やすことが可能となります。NISAは最大で税を5年間免除できますが、期間が過ぎても手続きすることで新たな非課税枠に移行することで継続保留することが可能となります。
それ以外に期間が過ぎた際に株のように売却するか、口座に移すかを選択できるようになるのも特徴です。金融機関が提供している他の投資型の年金制度は、ある年齢にならないと受け取ることができないなど、条件があり、途中で受け取ることができないため、NISAなど途中で受け取ることのできる非課税の投資制度を活用することも選択肢の一つであります。
高齢化と少子化が進んだ今の日本では、国が老後を保証してくれる国民年金の制度には大きな穴があり、完全に保証してくれるものではなくなりました。働けなくなった際の生活費を安定させるためには、貯蓄が必要になってきますが、日本人の3割が将来への備えを行なっていないというデータが出ています。
預金以外に、株や投資信託、保険による資産を一切所有できていない人が外国より日本は多いのが特徴です。日本は勤労所得がほとんどが占めており、株などの不労所得者は限られているのが現状です。これは日本人の性質も関係していることですが、働くことで得られる所得でなければみっともないと考える人が日本人に多いことが原因でもあります。
そのため勤労所得が大半を占めて、働かなくても得られる不労所得率が低くなっている傾向にあるのです。しかし、勤労所得は老後働けなくなった際には減少してしまいますが、株や保険などで得られる資産は年齢に関係なく増やすことが可能なものとなります。預金を行なっている人も多いですが、金融機関へ預けていても金利が低く、お金を増やすことはほとんどできません。
そのため、老後の生活費を安定させるためにはNISAのような投資システムが向いており、NISAは多くの人々が資産形成に取り組んでもらえるようにと導入されました。
しかし、大きなリターンを求めて大きなお金を使う投資は、ギャンブルと認識されることも多くあります。株は変動してしまい、加えて預金のように元本が保証されていないため、元本割れが起きてしまうことも大いにあります。NISAは少額から行なうことができ、5年という期間で区切りが付けられるため、長い期間の投資が不安な方や初心者が失敗しないような投資システムとなっていることが特徴となっています。
NISAを利用するためには、まず証券会社や銀行などの金融機関で専用の口座を作ります。NISAの口座を開設できる条件は、日本国内に在住していることと、年齢が20歳以上であることです。その条件を満たしていれば誰でも開設することが可能であり、1人につき1つの口座を開設することができます。
ここで注意しなければならないのが、同じ人物が別の金融機関で別の口座を持つことはできない点です。銀行でNISAの口座を作った場合、証券会社では口座を開設することはできないので注意しましょう。金融機関によって金融商品は異なり、株式や投資信託、保険などあり、リターンも様々です。
一度作った金融機関でしかやり取りができないわけではなく、金融機関の変更を後から行なうこともできます。その際に複数の口座を持つことになってしまいますが、稼働させることのできる口座は変更した後の金融機関にある口座のみとなります。口座を開設する際と変更を行なう際には、どの金融商品に投資するかをしっかり考えて行なう必要があります。自身に適した金融機関を慎重に選んで手続きすることが重要です。
また、投資を一切行わなかった場合、その年の非課税額を翌年に繰り越すことはできないので注意しましょう。利用する際に注意しなければならない点は、NISAの口座を開設する前にもあります。NISAの口座を開設する前に別の口座で保有している株がある場合、その株をそのまま口座に移行することはできません。
NISA口座で保有できる金融商品は、新しく購入した上場株式や投資信託のみとなります。他の一般の口座で既に購入した株式などをそのままNISAで利用することはできないので注意しましょう。また、他の口座で生じた利益や損失など通算することも繰越控除を行なうこともできません。NISA口座で発生した損失を、他の口座で行なった投資で賄うことはできません。
将来の資産を増やす選択肢として、投資が多く選ばれ始めている昨今は、初心者にも分かりやすく、始めやすいNISAが注目を浴びています。さらに新しい制度が導入され、2018年1月に「つみたてNISA」がスタートしました。投資上限額は通常よりも低い設定ですが、非課税期間が長くなり20年になり、長期運用を行なえるようになりました。
今NISAの口座を持っている方はこのつみたて口座に移行することも可能なため、投資スタイルを変えたい方にオススメです。投資の在り方も時代によって変化しているため、NISAのような新しい投資を取り入れて、将来への備えとしていくのも一つの選択肢であります。