「オミクロン株」に一喜一憂する展開継続か


<< 東京市場の動き >>

週明け29日の東京市場はドルが弱含み。一時的に買い進まれる局面も観測されたが長くは続かず、その後は売りに押されている。

先週末は、新たに「オミクロン」と命名された南アフリカで発見されたコロナ変異種が、世界に拡散していることが明らかに。少なくとも、欧州の英独伊そして豪州でも検出されたとメディアなどを通じて発表されている。
そうした状況下、ドル/円は113円半ばで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。時間外取引で米債利回りの上昇などもあり、日中高値である113.85-90円へと小幅に上昇した。しかし、コロナ変異種「オミクロン」に関する続報が報じられると、流れも再びドル売り・円買いへと変化。夕方には113円割れをうかがう様相を呈すると、16時現在では再び小反発に転じた113.30円で推移し、欧米市場を迎えている。

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一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ・オミクロン変異種」について。
先で指摘したように、南アフリカで発見された「オミクロン」がそののち欧州の英独伊そして豪州、カナダなどでも検出されたことを受け、各国が厳しい水際措置を発動。たとえば、米国が南アなど8ヵ国からの渡航制限を発表したほか、日本も国立感染症研究所が「警戒度を最高レベルに引き上げた」ことに続き、岸田首相が「全世界からの外国人の入国停止措置、ビジネス目的や留学生も対象」と発表していた。
なお、そうしたなか今回の変異種を受けて、「WTOが今週実施予定の閣僚会議を延期」した反面、G7議長国の英国は「オミクロン株対応でG7保健相会合を29日に緊急招集する」考えを明らかに。また、ブルームバーグは「バイデン米大統領が来月2日、『オミクロン株』について発言する」と報じているが、それでは遅すぎるとの声も聞かれており、支持率低下という状況もあり会見が前倒しされる可能性も取り沙汰されていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場に限らず、金融市場全体が新型コロナ・オミクロン株に振り回されている。ドル/円についても、米感謝祭が過ぎジワリとクリスマスモードが高まっていることもあってか、値動きが非常に軽くなっているなか右往左往の展開だ。リスクとすれば下方向だが、先週末に掛けての下げが早かったことで、戻り始めると上げ足も速いとの見方も否定できない。
日米欧英など各国の金融政策が引き続き注目されており、週間を通しては週末3日に発表される米雇用統計なども要注意。また、米感謝祭後ということで「サイバーマンデー」など、本来であればクリスマス商戦に向けた個人の消費行動も気になるところだが、如何せん目先は「オミクロン株」一色で、その警戒感が市場を席巻している状況にある。各国水際対策のほか、緊急で実施される「G7保健相会合」などにも、まずは注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は目先高値から早くも2.5円を超える下落をたどっているものの、まだ底値を確認した感はない。ちなみに、目先のドル安ターゲットは月間安値の112.73円。
しかし、時間足など短期で見ると、113円前後が思いのほか底堅い。リスクは下向きで続落要注意だが、113円前後をクリアに下回ることが出来なければ一転してドルは再び上方向、114円台回復などを試す展開を否定できないようだ。

材料的に見た場合、中長期的には、台湾防空圏に空軍機27機を送り込んだことが明らかになった「中国情勢」、「原油供給問題」、「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」--などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10月の中古住宅販売成約指数や11月のダラス連銀製造業活動指数などが発表される見込みだ。また、パウエルFRB議長をはじめとする米欧中銀関係者らの講演など発言機会も多数予定されている。そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.80-113.90円。本日東京高値に当たる113.90-95円が最初の抵抗。超えると移動平均の21日線が位置する114円前半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先で取り上げた113円前後の攻防にまずは注目。下回った場合には月間安値112.73円を目指す。

引用:FX羅針盤

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