【ニューヨーク=大島有美子】米銀最大手のJPモルガン・チェースは27日、2021年中にも個人向けの銀行サービスを英国で始めると発表した。店舗は出さず、スマートフォンを軸としたデジタルバンクで預金や貸し出しなど基本機能を提供する。英国は金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックが存在感を増す。銀行の安心感を打ち出して米国外での顧客獲得を目指す。
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数カ月後に、個人向けの「チェース」のブランド名でデジタルバンクを始める。JPモルガンの英国子会社が英当局から事業の認可を受けた。スマホ向けのアプリを配信し、顧客が口座を開けるようにする。取引はオンライン上で完結させる。クレジットカードの発行や住宅ローンなど基本的な消費者向け銀行サービスを展開するとみられる。
英国はフィンテックが勢いづいている。デジタル銀行の英レボリュートは伝統的な銀行と比べて国際送金の手数料の安さが売り物で、欧州を中心に1200万人超の個人が利用する。英トランスファーワイズも日本を含む世界にビジネスを拡大中だ。
JPモルガンは英国での個人向けサービスが「活気があり、競争の激しい市場」(消費者向け事業統括のゴードン・スミス氏)とみる。厳しい環境下で自社のサービスをどこまで広げられるか試す狙いがあるとみられる。発表では「消費者は銀行の安定性と信用力の高さを重要視している」ともつづり、銀行の強みをアピールした。JPモルガンのデジタルバンクは米国で5500万人が利用している。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は1月中旬の決算説明会でフィンテックとの競争について「次の10年は非常に厳しく、苦しい競争になるだろう」と述べた。米国でもオンライン決済のペイパル・ホールディングスやスクエアなどがシェアを広げており、米国外も含め市場を多角化する狙いも透ける。
引用:日本経済新聞
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