App Annie Japanの調査により、コロナ禍の影響で「ファイナンスアプリ」の利用時間が最大90%増加していることが判明した。
コロナ禍による経済への逆風がファイナンスアプリの成長を促進
2019年、全世界のファイナンスアプリのセッション数は過去最高を記録し、2017年の約2倍となる1兆回を超えた。消費者がお金の管理にアプリを使うようになったことで、セッション増加率は約35~40%伸びている。
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市場ごとで特に目覚ましい発展を遂げたのは、115%増加のインドネシア、95%増加のインドなど発展途上の市場。30%増加のドイツや日本、15%増加のフランスのような成熟市場は、前年比で健全な増加を示している。
ファイナンスアプリの中でも、特にフィンテックアプリが世界でユーザー基盤を拡大。各国のファイナンスアプリトップ10における、フィンテックアプリと銀行アプリの月間アクティブユーザー数の成長率をみると、フィンテックアプリはユーザー規模が20%拡大したのに対し、銀行アプリは15%の増加に留まっている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界各国でロックダウンや外出自粛要請などの措置が取られ、消費者の行動範囲が物理的に制限されたことで、モバイルを利用した財政管理や投資などの経済活動が活発になっている。
世界9カ国(中国、米国、韓国、日本、ドイツ、英国、スペイン、フランス、イタリア)のファイナンスアプリの平均利用時間について、2019年12月29日週の1週間と、2020年3月および4月(~4月18日)のピーク週を比較したデータをみると、最も増加率が高かったのは韓国で、3月29日週が最も多く、90%利用時間が増加するという驚異的な成長を見せている。
韓国に次いで日本も、3月1日週が最も利用時間が多く、85%の増加率を記録。米国は4月5日週が最も多く、55%利用率が増加した。
米国では経済不安が引き金となり、株取引アプリの利用率が急増
米国において、ファイナンスカテゴリーの中でも株取引が可能なアプリトップ10では、2020年1月の第1週から3月22日週までの期間で、利用時間が80%も増加した。
ファイナンスアプリは、新年の予算編成や決議、財務上の取引増加により、1月に利用時間が上昇するという季節性の傾向がある。
しかし、この数ヶ月の力強い成長は、米国のロックダウンによる景気減退の時期に、消費者が株式市場についての情報を入手する機会が増えたことが示唆された。
上記の期間中のうち、利用時間が最も多いアプリランキングの第1位は、手数料なしの株取引ができることから近年利用者が増加している「Robinhood」。
消費者の利用目的としては、必ずしも投資や取引を行っているだけではなく、株式・金融市場や、仮想通貨、企業などの動向を確認するためにアプリを利用をしている可能性もある。
日本でも外出自粛の影響でファイナンスアプリのダウンロードが20%増加
日本において、ファイナンスアプリの平均ダウンロード数をみると、2020年1月から3月の期間で約20%増加。外出自粛に加えて、ファイナンスアプリトップランキングの1位の「PayPay」と2位の「d払い」がキャンペーンを実施していたこともダウンロード数増加に影響していると考えられる。
2020年4月におけるダウンロードアプリトップ15をみると、銀行系のアプリが前月比で順位を上げている傾向にある。
特に、2020年2月末よりスタートした「ゆうちょ通帳アプリ」が大きくダウンロード数を伸ばしていることから、外出を控えたことで店舗でのATMの利用が減り、スマートフォンで口座の残高や入出金明細を確認するシーンが増えたことが考えられる。
また、金融市場の変動を受け、株式取引ができるアプリやビットコインに関するアプリの利用も増加している。
引用:@DIME
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