与信を受けにくい若者層を中心に、スマートフォンアプリなどを利用するオンライン個人向け融資サービスが広がりをみせている。調査によると3万円未満の借り入れが中心で、メッセージアプリ大手のLINEが展開するサービスでも同じ傾向がみられるという。少額融資の分野では今月、フリーマーケットアプリのメルカリも今月参入を果たしており、競争はさらに激しくなりそうだ。
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■個人向け融資の用途は
市場調査のMMD研究所が、クレジットカードなどでネット決済をしたことがある5457人にオンライン個人向け融資サービスの利用経験を聞いたところ、約21.6%が「ある」と回答した。利用したサービスの種類を複数回答で聞くとクレジットカードのネットキャッシング(60.7%)、銀行系ローン(49.2%)、消費者金融系ローン(34.8%)の順に多かった。また、世代別で見ると20、30代の40%以上がキャッシュレス決済系ローンを利用していた。
1回あたりの平均借入額は1万円以上3万円未満(19.6%)が最多。次いで1万円未満(18.5%)が多く、3万円未満の借り入れが目立った。少数ながら100円以上200万円未満(1.7%)、200万円以上(1.9%)という回答もあった。
用途は生活費、医療費、家賃、学費などの不可欠な出費がほとんどだが「クレジットカードの支払いの不足を補填」(28.3%)、「趣味、娯楽にかける費用」(31.6%)なども少なくない。
■「ネットの履歴」提供に抵抗感
また、オンラインでの個人向け融資サービスを利用する際、提供するのに抵抗がある個人情報を聞くと「クレジットカードや銀行口座情報」が56.0%と最も多く、「電話帳や友達との繋がり情報」「インターネットアクセス履歴」「SNSやチャットの使用履歴」といった情報化時代らしい回答も目立った。
「ネット利用やECサイトの購入履歴を提供することに、若者層も50~60代も同じように抵抗を感じている」(MMD研究所広報担当者)ようだが、クレジットカードと銀行口座の情報については50代以上の年齢層で抵抗感が高くなる傾向があるという。
こうした形で融資を受ける際には、個人情報や支払履歴などから「信用スコア」を算出して金利や限度額が決まるケースがある。日本では2017年頃に登場した信用スコアの認知度は67.6%で、半数以上が活用の範囲が広がることを期待していることが分かった。
■フリマの売上金で返済も
MMD研究所の広報担当者は「LINEのオンライン個人向け融資サービスの利用者が増えている」と話す。LINEの利用履歴などから算出した「LINEスコア」を土台にしている無担保ローン「LINEポケットマネー」では今年2月、貸付実行額が200億円を突破した。
同サービスの1回あたりの平均借入額は1万円未満が48%、1万円以上3万円未満が26%。最高で300万円まで借りられるが50万円以上借りる人は1%で、ここでも3万円未満の少額融資が中心だ。契約者のうち自営業、派遣契約社員、パートアルバイトが占める割合は37%で業界平均より11%高くなっており、若者層だけでなくさまざまな雇用形態の受け皿になっているとみられる。
メルカリも今月3日、同社のショッピングアプリの利用実績などで金利や限度額が変動する「メルペイスマートマネー」を開始した。こちらの限度額は20万円で、フリマの売上金を返済にあてるなどの柔軟な支払い方法で差別化していく。
4月1日に改正割賦販売法が施行され、経済産業省の認定を受けた上で、ビッグデータや人工知能(AI)などを用いた与信審査が解禁されている。金融とテクノロジーを組み合わせた「フィンテック」の発達を生活の中で感じる場面が増えそうだ。
引用:Sankei Biz
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