Z世代(1990年代半ばから2000年代前半生まれ)が豊かになる道のりは険しい。
クレディ・スイス(Credit Suisse)のグローバル投資年鑑によると、Z世代が株式や債券への投資で得られる収益は、上の世代よりも少なくなると予想されている。
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実際、Z世代のポートフォリオでは、平均的な投資利回りは年にわずか2%で、ミレニアル世代(1980年から2005年頃生まれ)、X世代(1965年から79年頃生まれ)、ベビーブーマー(1945年から64年頃生まれ)が経験した5%以上の利回りと比較すると3分の1程度になる。クレディ・スイスでは、1900年以降の平均投資利益率に基づいてZ世代の今後を予測した。
エコノミスト誌によると、年鑑は著しいデフレが債券のリターンを増加させる可能性があることを認めているが、より懸念されるのはインフレだと述べているという。年鑑が「低リターンの世界」と呼ぶ状況は、Z世代にとってはミレニアル世代が抱える問題を繰り返すことになるかもしれない新たな経済的な障害だ。
2020年12月にバンク・オブ・アメリカ・リサーチ(Bank of America Research)が発表したレポート「OK Zoomer」によると、新型コロナのパンデミックは、ミレニアル世代にとってのグレート・リセッションと同様に、Z世代の経済や仕事の将来に影響を与えるものだとしている。
「ミレニアル世代にとっての金融危機(2008年から2009年)と同様に、COVID-19はZ世代のキャリア形成や資産形成の前に立ちはだかる壁になるだろう」とレポートは述べ、ミレニアル世代がそうであったように、かなり多くのZ世代が不況の真っ最中に成人することになると付け加えた。
「10年前のように、今回の不況でも最も若く経験の浅い世代が最も大きな経済的打撃を受ける可能性が高い」
労働者の中で最も打撃を受けたのはZ世代だ
Z世代は、労働人口において最も打撃を受けた世代であり、失業率がどの世代よりも高い。
アメリカ労働省労働統計局のデータによるとZ世代が労働市場に参入した2020年4月における全体の失業率は記録的な14.7%に達し、グレート・リセッションの際にピークだった10%(2009年)を上回っていた。セントルイス連邦準備銀行のデータによると、2020年4月の失業率を20歳から24歳で見ると26%近くになり、他のどの世代よりも高かった。
「不況は通常、働き始めたばかりの人々に大きな打撃を与え、その影響は長期におよぶ」と経済政策研究所(Economic Policy Institute)のシニアエコノミスト兼政策担当ディレクターであるハイディ・シールホルツ(Heidi Shierholz)は、以前Insiderに語っている。
「大学を卒業して最初に就いた仕事が、その後の人生に重要な影響を与えるという証拠はたくさんある」
スタンフォード経済政策研究所の調査によると、一般的に不況時に就職すると、賃金の低迷が15年続くという。グレート・リセッションの不況時に就職したミレニアル世代の最年長の年齢層がそれに当たる。セントルイス連銀の調査によると、彼らの2016年における豊かさレベルは、上の世代が同年代だった頃に比べると34%低かったが、2019年の追跡調査では上の世代よりも11%低いに止まった。つまり、ミレニアル世代が経済的に追いついてきたと言うことができ、これはZ世代がパンデミックによって失った豊かさを取り戻そうとする際の希望になるだろう。
とはいえ、ミレニアル世代が年間5%以上の投資利回りを得ている一方、それが2%にしかならないと予測されるZ世代にとって、資産の形成はより困難になるだろう。
引用:BUSINESS INSIDER
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