楽天、調達した2423億円を楽天モバイルへ投資 日本郵政やテンセント系、ウォルマートなどへ第三者割当増資


楽天は3月12日、取締役会において、日本郵政などを引受先とした第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分の実施について決議したと発表した。資金調達の額は2423億4669万2500円で、その資金は全額を2021年12月末までに連結子会社である楽天モバイルへの投融資資金に充当する。

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第三者割り当てによる募集株式の数は、発行新株式数1億3973万7600株、処分自己株式数7191万8900株の合計2億1165万6500株。募集価格は1株に付き1145円。日本郵政に1億3100万4000株、Image Frame Investment (HK) Limitedに5738万2900株、Walmart Inc.に1453万6000株、三木谷興産に436万6800株、スピリットに436万6800株をそれぞれ割り当てる。

EC、フィンテック(金融サービス)を中心に拡大してきた「楽天エコシステム(経済圏)」において、各事業間のシナジーをさらに最大化させる上では、モバイルサービスは一層重要な役割を担う。モバイルサービスで獲得した新規ユーザーが、EC、フィンテックサービスなどへ流入し、さらに「楽天エコシステム」の拡大を加速できるという。

日本郵政の増田寬也取締役兼代表執行役社長は、「全国の郵便局や強固な物流網というリアルネットワークを強みとしている当社グループにとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを活かし、さまざまな事業領域においてインターネット関連サービスを提供されている楽天グループ様は最高のパートナーです。両社グループの関係をより強固なものとし、今後、物流にとどまらずモバイル、DX等を含む幅広い領域においてさまざまな協業を強力に進める原動力になると大いに期待しています」とコメントした。

Image Frame Investment (HK) Limitedの親会社であるTencent Holdings Limited(テンセントホールディングス)のExecutive Director and President, Martin Lau氏は、「楽天は、これまでメンバーシップとロイヤリティプログラムを通じて活気に満ちたエコシステムを構築し、Eコマース、FinTech及びデジタルコンテンツと比類のない強みを発揮しています。我々は楽天のユーザーに向けたイノベーションとエンパワーメントを通じた価値創造への想いを共有しています。そして、グローバルイノベーションリーダーへの進化に向けて投資を通じてサポートできることを嬉しく思います。我々は、デジタルエンターテインメント、Eコマースなどの事業を通じて戦略的提携を追求し、ユーザーへの価値創造とインターネットのエコシステムを共に創るためのパートナーシップを築くことを楽しみにしています」とコメントした。

President and CEO of Walmart International, Judith McKenna氏は、本第三者割当に伴い「急速に変化するグローバルリテール業界の中で、ウォルマートは将来の成長から利益を得ることができるように、世界中で戦略的な株式投資を行っています。 私たちは長い間楽天と共に歩んできました。グローバル規模でのEコマースエコシステムを展開していくという楽天の挑戦は、多くの点で私たち自身の挑戦と重なるものだと考えます」とコメントした。
三木谷興産およびスピリットは、楽天の代表取締役会長兼社長三木谷浩史氏の親族の資産管理会社。第三者割当を検討する過程で、三木谷社長より、自らとしてもかかる強固な財務基盤構築の一翼を担うべきとの決意の下、従前からの自らによる楽天株式の保有に加え、さらにその関係者が株式を取得することによって、中長期的な楽天の成長及び株主価値向上の実現に向けたコミットメントをこれまで以上に確固たるものとしたいとの申し出があったという。

引用:日本ネット経済新聞

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