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インデックス投資の出口戦略はどうする?考え方の基本と4%ルール

インデックス投資は、特別な投資知識がなくても誰でも始めやすい資産形成方法として人気を博しています。投資初心者の入り口としても人気なインデックス投資ですが、投資した金額をどのように取り崩すのかといった「出口戦略」について方針を固めている人は少ないのではないでしょうか?

この記事では、インデックス投資をこれから始める方はもちろん、すでに始めている方にも知っておいていただきたい、出口戦略の考え方の基本をご紹介します。

インデックス投資の出口戦略

インデックス投資とは、それぞれ特定の指標と同じ値動きを目指すよう投資を行う方法のことを言います。

指標としては日経平均株価やS&P500、NASDAQなどが有名で、主に投資信託への投資がメジャーなものとなっています。

投資信託や個別株への投資は、投資をして利益を出すことはもちろんのこと、投資の終わり(≒出口戦略)をイメージしておくことが非常に大切です。

投資における基本の出口戦略は主に以下の三つが挙げられます。

最も何も考えなくてよいのが、保有を継続して配当を貰い続ける方法です。ある程度株式を保有していれば、毎年配当金だけで生活することも夢ではありませんが、そのためには多額の投資が必要になります。

また、持っている株式が暴落した時に資産も大きくダメージを受けてしまいますので、よほどメンタルが強い方でない限りおすすめできない出口戦略です。

二つ目の一括売却は、当たれば多額のお金を一度に手にできるロマンある方法ですが、投資の知見が少ない方にとってはギャンブル要素が強すぎます。

加えて、インデックス投資は一般的に値動きが個別株よりも緩やかで安定して増減するため、この出口戦略もあまりおすすめできません。

上記より、インデックス投資の出口戦略としては、3つ目の「取り崩し型」がベストとされています。

それが4%ルールと呼ばれる出口戦略です。

4%ルールとは

4%ルールとは、保有している金融資産の資産運用をしつつ、保有資産の4%を毎年取り崩していくといった方法のことを言います。

具体的に4%ルールには、以下の2種類の方法が存在します。

それぞれ同じ「4%」という基準があるため「4%ルール」と呼ばれていますが、定額と定率では出口戦略の意味合いが異なってきますので注意が必要です。

自分の年齢や残りの投資期間、今後の家計を中長期的にプランニングした上で、どちらのルールを使用するかを考えていきましょう。

定額で取り崩す4%ルール

まずは定額で取り崩す4%ルールについて解説します。

いつ、何に対して4%の定額で取り崩すのかというと、仕事の引退時に総資産の4%を毎年決まったタイミングで取り崩すことを指します。

例えば、引退時に株式や投資信託で5,000万円の金融資産を持っていた場合、5,000万円×4%=200万円を毎年取り崩していくことになります。

この場合のメリットとして、常に一定の金額を収入として得られることになりますので、老後の生活資金を安定させられるといったものが挙げられます。

定額で取り崩す4%ルールは、根拠となる研究論文も複数存在しており、ある論文では「30年後に資産が残っている確率を90%超で超えるためには、毎年3〜4%を売却すれば良い」というシミュレーション結果も出ています。

そもそも単純計算で、5,000万円の金融資産を4%である200万円ずつ定額で取り崩した場合、資産が枯渇するまで25年かかることが分かりますので、上記の論文の計算結果も妥当だと感じられるのではないでしょうか。

定額取り崩しでの4%ルールを発展させれば、早期F.I.R.Eも視野に入ってきます。保有金融資産にもよりますが、年間の生活資金を節約できれば、定額で取り崩したお金だけで生活できてしまいます。

定年以降であれば年金も入ってくるものの、毎年年金の支給金額が減っている現状から考えれば、それを当てにすることも不安でしょう。

定額での4%ルールを徹底すれば、引退後の生活に安心感を感じられるはずです。

定率で取り崩す4%ルール

定額で取り崩す4%ルールは、毎年手にできる資金を安定できるといったメリットがある反面、金融資産の暴落時や高騰時に対応しきれないといったデメリットが存在します。

このデメリットを無くすための出口戦略が、定率で取り崩す4%ルールです。

こちらは、毎年決まった率(割合)で金融資産を取り崩していく方法となっています。例えば、引退時の金融資産が5,000万円だった場合、1年目は5,000万円×4%=200万円を取り崩し、2年目の金融資産が4,800万円だった場合は4,800万円×4%=192万円を取り崩すことになります。

毎年取り崩す金額が変動しますので、生活資金の安定という意味では定額取り崩しに劣るものの、保有金融資産の価格増減に効率よく対応できるため、特に「損をしたくない」という方に向いている出口戦略と言えるでしょう。

また、この方法は税金を無視して考えれば、年利4%以上で運用できる商品に投資していた場合、当初の金融資産の残高が減ることはありません。売却タイミングをいちいち計算したくないという方も、非常に運用しやすい出口戦略になりますのでおすすめです。

そもそも出口戦略とは?

もともと「出口戦略」という言葉は、軍事用語として使われていました。「損失や損害が大きい時に、いかに被害を最小限に食い止め撤退するか」という意味で使われていましたが、現在では経済や投資の世界で用いられる言葉となっています。

投資における出口戦略とは、投資した株式や投資信託を売却し、手元に資金を引き上げることを指します。

資産形成を目的として投資する人は、いつまでも投資をしっぱなしで良いと考えることはないはずです。投資をした後お金を増やし、その利益で生活を豊かにしたいと考えているはずですので、誰しもが出口戦略を考える必要があるのです。

実際、今ではインデックス投資を始め、投資に簡単に手を出せるようになったため、気軽な気分で投資による資産形成をしている方も増えてきています。

しかし、投資を始めてみたはいいものの、そのやめ時はいつにすれば良いのか悩む方も少なくありません。

投資の原則は「安く買って高く売ること」ではありますが、そのタイミングを見計らうのは難しいもの。ドルコスト平均法などで「安く買う」方法は知っていても、利益を最大化して売却する方法は軽視されがちです。

投資効果を最大限に享受するためにも、買った後にどのような出口戦略を持って売却していくのかイメージを持って始めることが大切です。

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まとめ

インデックス投資は投資初心者でも始めやすい資産形成方法。つみたてNISAを始め、金融商品への投資をスタートさせている方も多いですが、投資をした後にどうするのかをイメージできているかどうかによって、投資の成果が変わってくることすらあります。

この記事でご紹介した2つの4%ルールをしっかりと理解し、自身の金融資産と将来の生活を今一度見つめ直してみてくださいね。