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投資信託とETFの違い

通常の投資信託(ファンド)、そして、ETF(上場投資信託)。

どちらも投資信託のひとつの形ですので資金運用を検討している方や実践している方には、耳馴染みのある単語なのではないでしょうか。
しかし、資金運用としては比較的気軽に始められることができるため、投資初心者による挑戦や新しい金融商品のフィールド開拓をするためと第一歩としても注目が集まっている投資方法となっていますので、まだ両者の特徴がはっきりとわからないなどという方もいらっしゃるかもしれません。

2者ともに人気のあることからも比べられることの多い通常の投資信託とETFですが、両者の代表的な違いについて、ポイントとなる3つの違いを軸にご案内させていただきたいと思います。

売買価格の違い

通常の投資信託とETFには、まず非上場と上場という違いがあることがよく知られている大きな違いのひとつですので、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

そのほかにもさまざまな違いがありますが、中でも、それぞれが金融商品として持つ特徴とも言える、売買(取り引き)可能な時間帯・方法・場所などの売買(取り引き)そのものに関わる面、価格面で、大きな違いが見られるようになっています。その中でももっとも異なるのが、その売買価格です。

投資信託では、1日1回のペースで算出される「基準価額」での取り引きがおこなわれますが、ETFでは、その時々で変動する「市場価格」で取り引きがおこなわれるため、よりリアルタイムに反映される価格での取り引きをおこなうことができます。そのほか、通常の場合、投資信託は1日1回、9時から15時の限られた時間内でしか取り引きをすることができませんが、ETFは取引所の取り引き時間内なら何度でも取り引きをおこなうことができます。

また、投資信託が運用会社指定の金融機関でしか取り引きができないのに対し、ETFはどの証券会社でも取り引きが可能となっていますので、より広い視野で取り引きを楽しみたいという方には、ETFの方が魅力的に見えるかもしれません。

また、売買価格そのものとは少し異なりますが、取り引き時にかかる手数料も忘れてはいけないポイントのひとつです。一般的な投資信託では、購入時の販売手数料・売却時の解約手数料・運用会社への信託財産留保額などが発生することがありますが、ETFでは売買時の売買手数料のみが発生します。投資信託や証券会社によっても異なりますし、一定の手数料に設定しているところもあります。オンライン・実店舗の窓口・電話などでの処理かどうかなどでも手数料は異なってきますので、ぜひ事前の確認をおすすめします。

信託報酬の違い

次に、信託報酬の違いがあげられます。

信託報酬は、時には管理手数料という名前でも呼ばれることのある手数料ですが、一般的な投資信託の場合、管理や運用に関わる必要経費として、投資家が投資信託を保有している期間中に運用会社に対して払い続けなければいけないものとなっています。

投資信託の種類によって、あらかじめ手数料が設定されていますので、取り引きをする銀行や証券会社などの金融機関によって異なるというわけではありません。また、別途の支払いが都度発生するわけではなく、運用資産から差し引かれるかたちになっています。

そのため、よく見えにくいコストとも表現され、投資信託のしくみにまだ慣れていない投資家の方には、とくに注意してみていただきたい手数料です。ファンドによっては、信託報酬だけを比較した際に、かなりの差が出ることがありますので、あらかじめどの程度の手数料が発生するのかを数年単位で確認しておくと安心かもしれません。10年、20年、30年などといった長期間での運用を検討している方の場合は、この信託報酬について、一度推定合計金額を試算した上で投資先を考慮してみるのもおすすめです。

しかし、信託報酬は低ければ低いというものでもなく、信託報酬の高さが運用の利益リターンに直結している場合もあります。そのため、目先の数字だけに惑わされずに、しっかりと投資先を見極めることが必要となるでしょう。信託報酬は、投資信託の価格の変動に伴い毎日算出されるものとなっており、日々投資信託全体の財産である純資産から差し引かれています。

一般的には、運用に手間がかからないETFの信託報酬よりも管理や運営に多くの手間を必要とする投資信託の信託報酬の方が高いものとなっており、この手数料の存在が投資信託は長期の投資には向かないとされる理由のひとつとも言えます。

最低投資金額の違い

最後に、通常の投資信託とETFでは、購入時における最低投資金額の違いがあります。

両者の違いは、その購入システムの違いに基づいているものになり、投資信託では、基準価額が元になった購入価額で購入する必要がありますが、ETFでは株式と同様に、希望金額を指定して売買をおこなう指値注文、銘柄と口数を指定して売買をおこなう成行注文となっています。また、購入経路についても、投資信託では販売会社経由でおこないますが、ETFでは証券会社経由でおこなうという違いもあります。

さらに、通常の投資信託では、1日1回の基準価額が設定され、それに伴う価格での取り引きのみが可能ですが、ETFでは価格の状況に応じたリアルタイムでの市場価格による取り引きが可能になっていますので、より無駄の少ない最低投資金額で取り引きを済ませることも不可能ではありません。最近人気が上がってきているETFは、比較的少ないコストで始めることのできる資産運用方法の代表的なものです。

その背景としては、元が同じ投資費用でもリスクを軽減できる分散投資が株などのほかの投資より簡単にできること、通常の投資信託の信託報酬のような大きな保有費用がかさまずに済むため長期間を見越した投資に向いていること、売買時の費用である売買委託手数料などについても近年価格が下がってきている傾向にあるので運用がしやすくなってきていることなどがあげられます。

とは言え、通常の投資信託の中にも、ワンコインや1万円程度など、リーズナブルな資金で投資をすることができるものも多くありますので、通常の投資信託とETF、それぞれが持つ投資信託としての特徴を理解した上で、資産運用の手段として検討していただくことが大切です。
通常の投資信託とETFの違いをご理解いただけたでしょうか。

通常の投資信託とは異なり、ETFは、Exchange Traded Fundの略語となっており、特定の株価指数や商品指数にリンクするように運用されている投資信託です。最近では、投資信託への投資のデメリットにもなり得る売買時の手数料への負担を緩和しようという動きも増えており、「ノーロード投資信託」という種類の投資信託も人気になってきています。

また、株式指標と同様の値動きをするように運用されているインデックスファンドとも呼ばれる投資信託などもありますので、さまざまな種類がある投資信託の特色を見比べて、ぜひご自分に向いているなという投資方法を選択してみてはいかがでしょうか。