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個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の注意点・検討ポイント

iDeCo(イデコ)という言葉を聞いた事はあるでしょうか。

イデコとは個人型確定拠出年金を意味し、個人で掛金を決定し、その掛金によって毎月資産運用し、積み立てた金額を60歳以降に引き出す年金制度です。
国民・厚生年金に上乗せして、多くの人がこの制度を利用しています。

年金制度の脆弱性が叫ばれる昨今において、私的年金は皆の注目を集めるカテゴリーになっているようですが、そもそもこの制度、誰でも加入できるものなのでしょうか?また、一体どうやって始めるのでしょうか。
イデコにまつわるあらゆる疑問をピックアップし、なるべく詳しくご紹介します。少しでも将来に不安を感じているならば、是非当ページをご覧ください。

誰でも加入できる?どうやって始める?

老後の資産確保が困難になっていく中で、これまでに運用してきた厚生年金制度に加えて確定拠出年金を設けている企業も増えてきました。

従来の厚生年金に加え、企業が毎月の掛金を従業員の個人口座に拠出し、その掛金を従業員自らが資産運用する事で将来的に得られる資産を増やす事を目的とした年金制度です。

従業員の退職後の生活保障が難しくなってきた昨今において、年金制度も新たな取り組みが求められる時代に入ってきました。
このような企業型確定拠出年金と同様に、2001年から実施されている私的年金制度がイデコです。
イデコは先述した企業型確定拠出年金の個人版のような制度であり、個人型確定拠出年金の愛称で呼ばれています。
個人で掛金を設定し、金融商品を自由に選択し運用する事で、60歳以上となって受け取れる年金額を増やす事が可能となる制度です。

老後資産確保の先行きが不透明な中、厚生年金や国民年金に加えて運用している人も多く、新たな年金制度として注目を集めています。
お得なイデコの加入条件は、20歳以上から60歳未満であって、国民年金や厚生年金などの公的年金に加入している人であれば原則誰でも自由に加入は出来ます。

ただし、中には加入出来ない人もいるので要注意。加入できない人は、60歳以上の人・日本国内に居住していない人・国民年金が未納、または全額、一部が免除されている人、これらの人は加入出来ません。また、企業で勤めている会社員であっても、企業型確定拠出年金に加入している人は、企業が確定拠出年金とイデコの両方の加入を認めていなければ、加入は出来ないので注意が必要です。

イデコの始め方は簡単で、手数料や希望する金融商品を調べ、自分に最適な金融機関を選びます。会社でイデコを利用する場合であれば、金融機関が既に決まっている事も多々あります。金融機関が決まれば、あとは資料を取り寄せ、必要書類を提出するだけ。
手続き完了の通知は国民年金連合会から送られてくるので注意してください。

税制面のメリットは?

毎月の掛金で金融商品を自ら運用する新たな年金制度、イデコ。従来の厚生や国民年金に上乗せする形で始めているという人も増えてきました。
月々の支払額が増えるわけですから、当然メリットもたくさん無いと加入したくありませんよね。

そんなにメリットがあるの?と疑問に感じている人も多いでしょうが、結論から言うと、イデコにはメリットがたくさんあります。
イデコの最大の特徴、それは税制面が優遇されているという点に尽きます。拠出、運用、給付において、様々な税金が優遇されているイデコでは、60歳まで積立てておけば得する事間違いなしの利点がたくさん。

まず、拠出時におけるメリットについて。

毎月の掛金は自分で決めるのですが、掛金は全て、控除の対象となります。
例えば、月々15,000円の掛金を積み立てていた会社員の場合、年間27,000円の節税に繋がり、60歳まで続けるとトータル680,000円の節税が可能です(税計算は個人差があります)。

また、通常資産運用をして得られる運用益には、20%の税金がかかるものですが、イデコで得た運用益は全て非課税となるというのも大きな利点でしょう。
掛金も毎月決まっているので、長期スパンでコツコツ資産運用をしたい人にとってはイデコで資産運用を行う事がおすすめ。
更に、60歳以上となって資産を引き出す際にも、年金として受け取るならば「公的年金等控除」が、一時金として受け取る際には、「退職所得控除」といった、様々な税制優遇措置が取られるのです。
毎月の所得からわずかずつでも掛金を積み立てていくだけで、何もしていない場合と比べ、節税額に大きな差が現れる。
まさにこれがイデコの最大メリットです。

始める前に注意しておきたいこと

個人型確定拠出年金のイデコがいかに便利であるかが分かったかと思いますが、注意点やデメリット面も存在します。

まず、イデコで積み立てた資産は、60歳以降でなければ引き出せないという事。他の資産運用が好きな時に引き出せるのとは違い、イデコは引き出せる時期が決まっています。仮に60歳以前で本人が亡くなってしまった場合は、遺族がこれを受け取ります(イデコで受給出来るのは、老齢給付金と障害給付金、死亡一時金の3種類であり、死亡一時金として遺族に支払われます)。

なお、イデコで取り扱っていたのが金融商品であった場合は、金融商品が現金化されて支払われる為、相場状況によって受給される金額にも差が生じます。また、イデコを利用していれば60歳以上になればいつでも資産が引き出せる、というわけではありません。

資産を受給するには、最低10年以上の加入期間が必要となる為です。その為、50歳以上で利用を開始した場合は、60歳になっても直ぐに資産を引き出せるわけではありません。ただし、70歳まで制度を運用出来るので、60歳から70歳までの間に引き出す事は可能。更に注意点として、イデコではそもそも加入が出来ない人もいます。

60歳以降の人・国民年金に未払いや免除期間があった人・海外で居住している人などがこれにあたります。
特に、国民年金の支払い不足は多くの人が見落としがちな項目ですので、イデコを利用されたい方は、今一度過去の納付を確かめてください。
イデコで支払う月々の口座手数料についても注意が必要で、特に手数料金は事前にしっかりチェックしておく事をおすすめします。
口座開設の際には、国民年金基金連合会に2,777円の手数料が発生するばかりでなく、毎月の掛金にも手数料が発生する為です。

手数料は月額167円の運営管理機関もあれば、642円の機関もあり、金額に差があります。毎月、自動的に引かれてしまうため、何も考えずに管理機関を選んでしまうと、それだけ毎月の掛金が低く設定されてしまう可能性もあります。便利なイデコでも様々な点に注意が必要なのです。

コツコツ年金を支払っていても、どうしても生じる不安ってありますよね。
自分たちが年金を受給される時分には、果たしていくら貰えるのだろう。そんな事を気にしている人も多いでしょう。
年金制度が不安定になる中、老後の生活への不安は高まるばかりです。

しかし、不安に思っているならばこそ、何らかしらの行動が必要です。従来は企業に勤めている人でなければ制度が受けられなかった企業型確定拠出年金。
その個人版とも言えるイデコは、多くの人を対象にした新たな年金制度です。

今の国民・厚生年金額では不安定であるという人、資産運用に興味がある人、月々に掛金を捻出出来る余裕がある人は、是非一度個人型確定拠出年金をチェックし、将来に備えた行動を起こしてみませんか。