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【金融庁】金融機関への検査と日銀考査の一体的運用を開始

金融庁は2021年度から金融機関への検査について、日銀の考査との一体的運用を始める。金融庁は銀行法に基づく監督権限を根拠に金融機関に検査を行っている。一方、日銀は金融機関との契約に基づいて考査を手掛けている。

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ただ、重複する部分も少なくなく、自民党の金融調査会(山本幸三会長)は昨年10月、金融機関の負担軽減など理由に検査・考査の一体的運用を進めるよう提言していた。これを受けて、金融庁と日銀は連携強化の検討に着手し、このほど具体的な取り組みをまとめた。
メガバンクなど大手行への対応では、金融庁の通年検査と日銀のオフサイトモニタリングを連携させる。両当局による定例の意見交換会を立ち上げ、大手各行に関わる優先テーマや関心事項を共有。ヒアリングや資料の徴収を共同で実施する。原則3年に1度行っている日銀の考査については、提出資料や面談時間などを大幅に絞り込むほか、実施時期も柔軟化する。これらの取り組みにより、大手行の効率的な経営監督と個別行の負担軽減を図りたい考えだ。
地銀など地域金融機関については、検査・考査を一定期間実施してこなかった金融機関などの経営情報を共有。立ち入りに入る対象先を両当局で分担して、財務面やビジネスモデルなどのリスクをタイムリーかつ網羅的に把握できるようにする。
金融庁は金融機関の法令順守や財務リスクの分析を得意とする。一方、金融市場と日々対峙している日銀は、マーケットの変動が金融機関の経営に与える影響などの分析で一日の長がある。両当局はこの互いの強みを検査・考査の一体的運用に活かすとともに、気候変動リスクやフィンテックとの融合で複雑化するシステム・サイバーセキュリティリスクへの対応では協働してモニタリング能力の高度化を図る考えだ。
金融庁と日銀の本格的なタッグが地銀の再編促進も含めた金融システムの安定化にどこまで効果を発揮するか。

引用:財界オンライン

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