中古車売買のオンラインプラットフォームを運営するメキシコのスタートアップのカバック(Kavak)は9月22日、8月に実施した資金調達ラウンドで7億ドルの出資を受けた結果、同社の企業価値が87億ドルに達したと発表した。中南米のスタートアップとしては、ブラジルのヌーバンク(約300億ドル)に次ぐ第2位となる。カバックは2020年9月に企業価値が11億5,000万ドルに到達し、メキシコのスタートアップとしては初のユニコーン企業となった(2020年10月5日記事参照)。その後も資金調達に成功してアルゼンチンとブラジルに進出し、中南米3カ国の40拠点で約5,000人の雇用を生み出すまでに至った。8月のラウンドで得た資金の一部は、メキシコ国内の拠点拡充に加え、中南米の他の国や欧州への事業展開も視野に入れている(2021年9月23日付「レフォルマ」紙)。
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カバックには、創業時からベンチャーキャピタルによる大規模な出資が行われてきた。マウンテン・ナスカ、JDパワーズ&アソシエイツ、トレサリア・キャピタルが2016年と2017年に、ソフトバンク・グループが2019年に出資した(2019年10月28日記事参照)。2021年8月のラウンドにも、ゼネラル・カタリスト、タイガー・グローバル、スプルース・ハウス、D1キャピタルなどのベンチャーキャピタルとともに、ソフトバンクが投資家として参加している。
ソフトバンク・ラテンアメリカのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)は9月14日、2019年3月に設立した総額50億ドルの中南米地域スタートアップ向けファンド(ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド)に加え、今後は同分野の新たなファンド(ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド2)を設立し、30億ドルを投じると発表した。ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの今までの出資先(同社ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)としては、全36件中ブラジルが22件と圧倒的に多く、メキシコが6件、コロンビアが3件と続く。事業分野としては、フィンテックが9件で最も多く、Eコマースが5件、ブロックチェーン(仮想通貨など)、教育、不動産、ソフトウエアがそれぞれ3件で続く。出資額が最も大きかったのは、コロンビアの買い物代行サービスのラピへの出資で10億ドルだった(2019年5月20日記事参照)。
引用:JETRO
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