中南米に新たなユニコーンが誕生した。メキシコのフィンテック企業クリップで、中小企業向けに決済サービスを提供している。
クリップはソフトバンクグループの中南米ファンドとバイキング・グローバル・インベスターズから2億5000万ドル(約270億円)の投資を受け、バリュエーションが20億ドルに達した。クリップの創業者で最高経営責任者(CEO)のアドルフォ・ババツ氏が明らかにした。
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ババツ氏はメキシコ市からの動画インタビューで、「積極的に成長を目指し、向こう1年半で約320人を採用する計画だ」と語り、「可能な限り最高の人材」を引き付けるため買収もあり得るとした。
同氏によると、メキシコでは1人当たりのカード保有が平均約1.5枚だが、受け入れる店舗が少ないため使用は年間40回程度に限られているという。メキシコ国内の約1100万の事業者のうちカード支払いを受け付けているのは100万程度だと同氏は推定。「クリップはこのギャップを埋めようとしている」と語った。
クリップは2012年創業。600人の従業員を抱え、スマートフォンに取り付けられる7ドルのクレジットカードリーダーなど3種類の決済端末を提供している。
「当社顧客の約85%はわれわれがサービスを提供する前は現金のみを受け付けていた。メキシコのデジタル決済の民主化をわれわれが進めていると言える」とババツ氏は語った。
今回の資金調達前にも、筆頭株主のゼネラル・アトランティックやゴールドマン・サックス・グループ、リビット・キャピタル、アルタ・ベンチャーズ、ダラス・キャピタル、アメリカン・エキスプレス・ベンチャーズ、グルポ・フィナンシエロ・バノルテなどから約1億ドルの出資を受けていた。ソフトバンクは前回の資金調達時にも出資している。
ババツ氏によると、クリップはさらなる資本を調達し既存の投資家に売却の機会を提供するため新規株式公開(IPO)を検討しているが、年内は行わない見込みという。
引用:Bloomberg
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