【広州=比奈田悠佑】中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)が20日発表した2021年1~3月期決算は、純利益が前年同期比65%増の477億元(約8000億円)だった。フィンテックや企業向けIT(情報技術)サービスが好調だった。中国政府が大手ネット企業への締め付けを強めるなか、これまで築いてきた優位性を保てるかが今後の焦点になる。
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売上高は25%増の1353億元だった。スマホ決済など金融関連や企業向けITサービスの売上高が47%増と大きく伸び、全体の売上高に占める割合は前年同期の25%から29%へ拡大した。同事業に関わる費用は38%増と、売上高の伸びを下回った。クラウドなどへの先行投資が効果を表し始めたようだ。ゲーム関連の売上高も17%増と好調を維持した。
このほか、投資先の評価益などで構成する「その他の利益」を195億元計上した。前年同期の5倍にのぼる。同社は今回、細かい内訳を公表していないが、過去には企業価値が上昇した投資先の分野として電気自動車(EV)やゲームを挙げたことがある。
中国政府はこれまで海外のSNS(交流サイト)や検索サービスを国内から排除し、中国ネット企業の成長を側面支援してきた。例えばテンセントの対話アプリ「微信(ウィーチャット)」は中国を中心に世界で12億人の利用者を抱えるまでになり、広告収入やスマホ決済の手数料収入を生み出してきた。
だがここにきて政府は市場を独占する巨大プラットフォーマーへの監視を強めるよう方針を転換している。例えば独占禁止法を管轄する国家市場監督管理総局は直近、テンセントが過去に実施した国内企業への出資案件について、詳細な内容を当局に申請していなかったとして罰金を科した。同社が出資するネット通販企業なども不正な競争行為があったとして処分された。
こうしたなかテンセントは4月、環境や食料などを巡る社会課題の解決に8000億円超を投じると発表した。政府やネットサービスの利用者に対し社会貢献をアピールする。
引用:日本経済新聞
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