フェイスブックの仮想通貨「リブラ」を巡り、米議会ではマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪行為の温床になるとの警戒感が出ている。
だがフェイスブックは、リブラが法執行の貴重なツールになり得ると主張している。その理由の一つは、リブラの利用から大量のユーザー情報が生み出されるためだ。それこそ、フェイスブックの幹部デビッド・マーカス氏が先に行われた公聴会で議会に届けたメッセージでもある。
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現金は取引履歴や所有者の記録が残らないため、犯罪者には好都合だ。仮想通貨「ビットコイン」の取引では改ざんの難しい記録は残るが、所有者が必ず記録されるわけではない。その点、リブラでは取引と所有者、どちらの記録も残ることになる。
米中央情報局(CIA)の元分析官でセキュリティーコンサルタントのヤヤ・ファヌシー氏は「一層強い(マネーロンダリング対策)手順と規制を備えた取引所とウォレットサービスが拡大するだろう」とし、「それは法執行に役立つ」と話した。
フェイスブックとリブラを管理する非営利団体(NPO)「リブラ協会」は、リブラのネットワークを利用したい取引所運営会社やウォレットサービス企業などに、マネーロンダリング規制の順守を義務付ける予定だ。一方、ビットコインではアクセスを一元管理する団体などがなく、こうした規則を徹底できない。
マーカス氏は先の議会証言で「既存のシステムを改善できると思う」と語った。
フェイスブックはマーカス氏の証言より踏み込んだコメントを避けた。リブラ協会もコメントに応じなかった。
法執行当局はこれまでにもビットコインを捜査に利用している。2015年に麻薬売買サイト「シルクロード」の創設者が有罪になった件では、ビットコインの取引履歴が役立った。
仮想通貨業界は数年前からこの方向に動いている。多くの有名企業が標準的な金融規則を順守し、日本やスイスをはじめ数カ国がデジタル通貨に特化した法律を整備した。
米国ではウィリアム・バー司法長官が今月23日の講演で、暗号化によって「危険な犯罪者の通信や行動が覆い隠されている」と指摘。法執行当局への通信ロック解除手段の提供をハイテク企業に義務付けることが必要かどうか、という議論を復活させた。
ビットコインは一元管理する権限を持つ者がないため、法規の順守を義務付ける対象がない。一方、リブラではリブラ協会加盟者が取引処理などのタスクの実行者を決めることから、協会はリブラネットワークに対して大きな権限を持つことになり、全ユーザーの身元に関するデータを維持し、当局に利用させるよう企業に義務付けることができる。
ファヌシー氏は、仮想通貨業界がゆくゆくは規制されたものと無規制のものとに二分されるとの見方を示した。また、法執行当局は規制のある空間と無規制の空間が交わる部分を調べれば犯罪を見つけられるため仕事しやすくなると指摘。「無規制の空間は今後も存続する」とした上で「だが、小さくなる」と話した。
引用:THE WALL STREET JOURNAL
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